洗車にシャンプーを使用せず水をバシャバシャかけない7つの理由

さぁ、クルマを洗いましょう、、、

そう考えた時、みなさんはどのような方法を選択しますか?

  • 丁寧に手洗いする人
  • 洗車機に入れてしまう人

大きく分ければこの二つに分かれるかと思います。(そもそも洗車しない人は除きます)

 

「丁寧に手洗いする」ということについて、掘り下げていけばこれもまた色々なやり方があります。

その中でもとりわけ大多数を占めると思われる、シャンプー洗車。

モコモコと泡を立て、ホース片手にバシャバシャと水をかけ洗い流す。

休日ともなれば、至る所で見かける日常的な光景です。

一目で洗車していると分かる、まさにTHE洗車の代名詞のような洗車方法です。

 

手を洗うには石鹸、お風呂で体を洗うにはボディソープ、食器を洗うには中性洗剤を使用しますよね。

だからクルマもシャンプー(洗剤)を使って洗車するものなんだと行き着くのは自然な思考です。

事実、カー用品店にはどれを選んだらいいのか分からないくらいにシャンプーが並んでいます。

そこに疑う余地はない、そう思える環境が揃っています。

 

しかし、本当にそうなんでしょうか。

  • なぜシャンプーを使用しなければならないのか?
  • なぜクルマに水を掛けなければならないのか?
  • シャンプーや水が美観維持のうえでどのような役割を担っているのか?

そう問われたときに明確な答えがあるのでしょうか。

 

僕は洗車を仕事にしております。

お客様がクルマに乗っていない時間を見計らって、会社、住まい(戸建て・マンション・アパート)、月極め駐車場等に出向きその場で洗車をする出張洗車という仕事です。

駐車場所によっては水道がない場所、水道を使用してはいけない場所、洗車に好ましくない場所(地面が土だったり草ボウボウだったり)もあります。

また、水を掛けないで欲しいと要望のある超高級車や旧車、屋内(ショールーム内)で洗車することもあります。

今回のテーマから逸れますが、40℃を超える炎天下で洗車することもあります。(人間がツラいだけで仕上がりに影響はありません)

 

水道を使わないで欲しい、水道が使えない、水道がそもそもない、そうした制限に関係なく、、、

「本当にこのクルマ触っていいんですか!?」

そう言ってもらえるだけの仕上がりを出さなくては仕事になりません。

また一度限りの洗車よりも継続的な洗車を依頼されることも多く、洗車するたびに目に見えてキズを増やしていてはプロとして面目丸つぶれとなってしまいます。

 

どこで聞いたのかは忘れましたが、一般的なシャンプー洗車で使用する水の量は約200リットルなんだそうです。(お風呂一杯分です)

大量の水ですから、資源の無駄遣いと眉を顰める人もいるかと思います。

断水で水を無駄に出来ない時には流石に洗車出来ませんよね。

だけど断水だろうが変わらずクルマは汚れ、その汚れは大切なクルマの美観を損ねるだけでなくダメージを与えていきます。

だからと言って洗車を強行すれば、ご近所の変わり者として冷ややかに認定されるでしょう。

普段からしてもクルマを洗車することは理解できない行為として、興味がない人から心無い言葉を浴びせられた経験を持つ方が大多数ではないでしょうか。

「ついこの間洗ったばっかじゃん」

「また新しい道具に無駄遣いしたの?前回買ったやつがまだ残っているんじゃないの?」

「私とクルマ、どっちが大事なの?」

「そんなに一生懸命やってなんか意味あるの?誰も見てないよそんなとこ」

「クルマを洗う時間があるくらいならどっかに連れてってよ」

うーん、耳が痛いというか心がえぐられるというか。。。

 

対して、僕が洗車で使用する水の量は4リットル程度です。

6リットルのバケツに半分強入れた水道水しか使いません。

使用するタオルは、フェイスタオルサイズの綿タオルが2枚。

たったそれだけ。

高級タオルとして流行っている、「今治タオル」なんて使いませんよ。

粗品レベルの綿タオルが厚み的にも一番使いやすいです。(200匁と言われる厚みです)

そして一日に何台洗車することになってもこの4リットルの水を使いまわします。

これは洗車の常識から外れているかと思います。その認識は十分にあります。

「キズだらけになってしまうではないか!」

信じられないのはしょうがないとしても、頭ごなしの否定は安易というものです。

否定とは、変化を恐れ認めなければいいだけのことですから。

なぜキズだらけにならないのか?その理由は話しが逸れるのでまた別の機会に説明します。

 

シャンプーを使用し、水をバシャバシャかけることには非常にたくさんのデメリットがあると考えています。

  1. 泡で施工面が見えにくい(どこがどの程度汚れているのか分かりにくい、キズなのか汚れなのかの判別がしにくい)
  2. 乾いてしまう前に施工しなければならないので慌ててしまい雑になりやすい(気温や日差しに大きく影響される)加えて、一度始めたら中断が許されず、最後までやり切る必要がある、部分的な洗車が出来ない
  3. 雨が降るとサイドミラーやドアノブから黒い筋が垂れる
  4. 水はけのいい場所でないと都合が悪い
  5. 細かい隙間に水やシャンプーが入り込む
    (コンプレッサーやブロアーで吹き飛ばせますが、設備投資が必要であり、乾きを促進させているだけという見方も出来ます。)
  6. ドアや窓を開けることが出来ず、たいていのクルマでは脚立が必要となる
  7. 濡れたまま乾いてしまうと、水道水(または井戸水)中のミネラルやシャンプーが残留し悪さをする(塗装においてはイオンデポジットの原因となり、未塗装樹脂は白化する)
    (対応策として浄水の使用がありますが、設備投資と維持費が掛かります)

 

そもそも、ほとんどの汚れは水だけで落ちます。

黄砂+花粉、樹液、融雪剤(塩化カルシウム)、排気ガス、砂ぼこり、虫の死骸、鳥のフン等々、固着してしまう前であれば何の苦も無く水だけで落ちます。

ゴシゴシ擦る必要もありません。ひと撫でで取れます。(車体左側のボンネットのみ水洗いしてあります)

 

そう考えると、、、シャンプーを使い、水をバシャバシャかける一般的な洗車方法に何のメリットがあるのか。。。

その気付きに応じて確立したのが「バケツ一杯の水洗い洗車術」です。

水をバシャバシャとかけないので細かい隙間に水が入りません。

今日は時間がないからちょっとだけ洗車しようという部分洗車が可能です。

そして次の工程であるWAXやコーティング施工に即入ることが出来ます。(僕の場合はピッチレスコートなどの施工です)

汚れが固着していない簡単に落とせるタイミングでだけ使える水洗い方法ではありません。

汚れが固着してしまい水洗いだけでは取れなかった場合は、水洗いで砂ぼこりだけを落とし、固着した汚れはピッチレスコートや窓ガラスコートで取り除きます。

ピッチレスコートや窓ガラスコートは単なる汚れ落としだけでなく、艶出し、保護、キズ隠し(ピッチレスコートのみ)を一液で完結できる、洗車のプロが使用する非常に便利なケミカル剤です。

 

なぜ人間の体や食器などはシャンプー(洗剤)を使用しても特別不便を感じることなく、またシャンプー(洗剤)が洗い流し切れず残留したとしても変色したり腐食するトラブルがそうそう起きないのか。

人間の体には新陳代謝があります。

シャンプーが残っても垢とともに排出され、ダメージを負っても軽微なものは再生してしまいます。

食器はたいていのものは耐薬品性に優れています。

非常に固く、多少擦ったくらいではキズが付きません。

またそれぞれには、水はけが悪い部分はまずありません。

対して、塗装は新陳代謝しませんので再生せず、負ったダメージが蓄積されます。

食器ほど固くもなく、人間の爪程度の固さですのでちょっとしたことでキズが付きます。

色々な素材を複合的に組み合わせてクルマは成り立っている関係で、部品と部品の間には隙間がありどうしても水はけが悪くなります。

そして塗装は化学変化を起こしやすい有機物です。

そこに化学変化(劣化や腐食)を促進させてしまうようなモノ(ミネラル分やシャンプーの在留成分等)を付着させ放置すれば言わずもがな。

付着してから短い期間であれば汚れとして上に乗っているだけに過ぎませんが、一度劣化や腐食してしまえば、覆水盆に返らず。

変色を起こしたり忌まわしき染み、イオンデポジットと呼ばれるものが発生する訳です。

 

そうなったらコンパウンド等の研磨剤で削るしかないのではないでしょうか。

限りある塗膜を安易に削り薄くすることに僕は非常に抵抗を感じます。

言わば、虫歯になったら削ればいいんでしょ?と言っているのとあまり変わらない気がします。

そうならないように定期的に歯を磨くのが普通ではないでしょうか。

太ったら脂肪吸引すればいいんでしょ?というのも同じですね。

 

何が言いたいかと言うと、洗車で染みを作っているということです。

 

何のために洗車しているのか?その根底を覆しかねない、まさに本末転倒という言葉がぴったりの現象です。

雨染みなんていう言葉もあるくらいだから、てっきり雨が原因でなると思っていませんでしたか?

うちは青空駐車だからしょうがないか。。。そう思っていませんでしたか?

実は違うんです。

雨でもなることはなると思いますが、それよりも洗車そのものが根本的な原因です。

だったらクルマを陶器のような耐薬品性の高いもので覆ってしまえばいいのではないかと考える方もいるかもしれませんが、強度、安全性、重量、美観、色々な観点から現実的ではないと思います。

 

ちなみに耐久性が高いとされているガラスコーティング。

お風呂の鏡(素材がガラスです)を見れば分かると思いますが、大抵のお家でウロコ染みだらけになっていますよね。

ということは、クルマでもそれが非常に起きやすいということですからね。

またいくら固いとはいえ非常に薄いので、飛び石で割れ剥がれたということも時々耳にします。

キズが付いても補修が出来ない、それもガラスコーティングの特徴です。

 

色々と脱線した話もありつつ、あーだこーだ言いましたが、、、

僕は一般的な洗車方法(シャンプーを使用し水をバシャバシャかける洗車のこと)を全否定するつもりはありません。

その方法にメリットを見出し、デメリットを打ち消す方法で運用すれば素晴らしい結果が伴うことは間違いありません。

事実、その方法でクルマをキレイに維持されている方がいらっしゃる訳です。

それはそれで大変すばらしいことだと思います。

 

どのような方法を取ろうとも、、、

より簡単に、より素早く、よりお金が掛からず、キレイに維持するという目的が果たせればそれで良い訳です。

機械でも言えますが、同じ結果を出すのであればよりシンプルな物の方がエライと言えるのと同じではないでしょうか。

方法にこだわるというのは本末転倒です。

目的にこだわることこそ正しい姿ではないでしょうか。

ですので、もっと都合の良いやり方を見出したのならば、僕は迷わず変えていきます。

 

僕がバケツ一杯の水洗い洗車術に行き着いたのも、非常に多くの制限がある中で僕なりに出した一つの答えでしかありません。

確固たる自信があるとはいえ、唯一の正解などとはこれっぽっちも思っていません。

世の中の大多数の方にとって僕と同じように制限がある中で洗車を楽しんでいらっしゃるかと思います。

そのような方たちの助けになると自信を持ってオススメ出来ます。

 

ケミカル剤であるピッチレスコート等につい目がいきがちですが、、、

お客様
ピッチレスコートもスゴイけど、バケツ一杯の水洗い洗車術も同じくらいスゴイということに気が付きました!

と興奮気味にお話しくださる方が時折いらっしゃいます。

よくぞ気付いてくれました!スルドイですね!!

それがこの仕事をやって良かったと思う瞬間の一つです。

 

洗車って案外周りに理解されにくいものです。

そんなに悪い趣味ではないと思いますけどね。。。

とはいえ、周りにあまりそれを共有できる人が意外といないというのが事実。。。

(今まで1000人以上のお客様とお話ししてきて気が付きました、僕だけじゃなかったんだと。)

そんな境遇、同じ志しを持つ者同士、自らが感じた感動を共有し分かち合うことはこれぞ高尚な趣味と言えるのではないでしょうか。