洗車キズについての齊藤〇美装の見解
洗車キズ、、、洗車好き人にとっては永遠のテーマと言っても過言ではありません。
いくら細かいキズでもたくさん付けば、せっかくの塗装が白くボケて見えることになります。
未施工部分はタマゴの薄皮が一枚乗っているか、クモの巣が張っているかのようです。
キズが入る理屈を知っている、さらにはキズをなるべく入れない注意を払えている。
それらが美観を長く保ち、それに係る手間も大きく変わっていきます。
でもそれはちょっとしたコツや工夫の積み重ねなんです。
このような状態にしてしまった前オーナーさんを悪く言うつもりは全くありません。
前オーナーさん自らの責任において良かれと思った行動の結果、洗車キズが一杯ついちゃったというだけのことです。
良かれと思ってとった行動を責めるのは野暮ってもんです。
逆に洗車しないというのも一つの答えです。洗車せず泥だらけでも何も気にしないという人がいるからです。それは個人の自由です。
洗車するにしても人それぞれ何を求めているのかというのは微妙に違います。
それに応えるべく、やり方も商品も市場には把握しきれないほど溢れています。
様々な制限がある中で何を選べばいいのか分からない
洗車にはじめて取り組むので右も左も分からない
試行錯誤している内に自分が何を求めているのか分からなくなってしまった
選択肢があり過ぎて逆に悩んでしまう。。。
そんな時期が僕にもありました。
今回の記事では、どういう方向に食指を伸ばしていったらいいのか、迷いを振り切って進むべき方向性を見出す、その切り分けのお役に立てれば幸いです。
全てのことにはメリットとデメリットがあります。
なので単純にあれが良いこれが悪いという、あとあと余計に混乱させるだけのお話しは極力避けることをお約束します。
そして、キズはキズでも今回は洗車キズについて取り上げ、 僕なりの解釈でお話ししていきます。
上手に活用してね!
時間経過とともに新しい知識や経験の蓄積から別の見解を得ることもあるかもしれません。
その時は今とは違うことを言うかもしれませんが、ご容赦ください。
目次
- 1 キズを隠すとキズを消すの違い
- 2 周辺環境によってはキズは見えたり、見えにくくなったりするんです
- 3 塗装色によってキズが付きやすい、キズが付きにくいがあるって本当なの?
- 4 洗車キズをゼロにして洗車することは可能なのか?
- 5 高硬度を謳う硬化型コーティングをしていれば洗車キズは入らないのか?
- 6 ワックスや簡易コーティングを塗り込む時になるべく余計なキズを付けないための工夫
- 7 技術の進歩はスゴイ!今はキズを自動修復する塗装なんてものがあります
- 8 僕が実践し提供している「簡単で楽しく続けられる洗車」について
- 9 こうした考えを生み出した背景
- 10 洗車の答えは一つじゃないし、タブーを設けず多様性があった方が楽しいと思います
- 11 まとめ
キズを隠すとキズを消すの違い
「キズを隠す」も「キズを消す」もキズを見えなくする(見え難くする)という意味では同じように聞こえます。
だからだと思いますが、きっちり使い分けている方はあまりいないように思います。
また言いやすさから、ひっくるめて「キズを消す」と言っていることもあるかと思います。
僕もそう言ってしまいそうになることがあります。
ですが消すと隠すではプロセスが全く違います。
方 法 | 手 法 | メリット | デメリット | 再施工性 |
キズを消す | コンパウンドで削る | 仕上がりの良さ | 削ったら塗装は元には戻らない | そう頻繁に再施工するものではない |
キズを隠す | キズで出来た溝を埋める | 施工性、再施工性の良さ |
埋めたものが流れたり痩せたりすればキズはまた見えてしまう |
再施工が簡単で躊躇なくやり易い |
細かいことのようで結構大事なことです。
「キズを消す」ことの代表的な方法
それは、コンパウンドを使用した研磨です。
以前、研磨を仕事にしている方から研磨のことを教わった際の様子を動画にさせてもらいました。
「キズを消す」は塗装を削る行為ですので出来ればしないに越したことはない、というのが一般的な認識でもあると思います。
道具を揃える必要があるというハードルもあります。ポリッシャーひとつとってもシングルアクション、ギアアクション、ダブルアクションとありますし、バフやコンパウンドには塗装との相性がありますのでなかなか一筋縄ではいきません。
コンパウンドを掛けることが恐ろしい。。。
ときおりこんなお話しを頂くことがあります。
コンパウンドを掛けたら塗装がキズだらけになって白く曇ったようになってしまった。
コンパウンドを掛け過ぎて塗装の下地が出てしまった。
ポリッシャーでコンパウンドを掛けたらオーロラキズ(磨きキズ)だらけになってしまった。
問題が起きることにもキレイに仕上がることにも必ず因果関係があります。
上手くいかない原因としては、、、
- コンパウンドの番手があっていない
- 砂ぼこりや鉄粉を除去せず施工している
- 砂ぼこりが施工中に飛んでくるような環境で施工している
- チカラの掛け過ぎ
- バフやスポンジの研磨力が強すぎる
- バフやスポンジやコンパウンドの組み合わせに塗装との相性が合っていない等々
が考えられます。
キズを消す研磨にしか出せない仕上がりがあるのも事実です。
ハードルの高さはあるものの、リスクを踏まえ適切に使えばそれほど恐れることではないようです。(ポリッシャーすら持っていない僕が言うのも何ですが。。。)
「キズを隠す」代表的な方法
それは、キズを隠す効果のあるワックスや簡易コーティングなどを施工することです。
こちらのダイジェスト版の動画は、洗車によって出来たクモの糸のような細かい洗車キズを隠すものです。
この手軽さが一般受けしやすい理由です。
人間でいうところのお化粧と捉えると分かりやすいかと思います。
神経質、だけど面倒くさがりで飽きっぽい、ぎっくり腰経験者の腰痛持ち、そんな僕が大好きな手法です!
クルマ好きオートバイ好きの方の中には複数台所有している方も結構いらっしゃいます。そうなると一台一台に掛けられる時間が減る訳です。
よほどのマゾでもない限り、洗車を手早く済ませたいと考えるはずです。
クルマは乗り物ではなく磨く物です。乗るよりも磨いている時間の方が長いんです。
というような人でもない限り。。。
そうした事情から、
- ある程度のレベルの仕上がりを
- それほど神経質にならず
- ある程度パッパッと手軽に手に入れられる
というのが非常に重要になってきます。
楽しいと思えることを、楽しいと思える範囲で楽しむのが一番!
僕はこんな風に考えています。
「キズを消す」「キズを隠す」この両方を同時にやってしまう方法
それがコンパウンド入りワックスで施工することです。
黒い塗装用のものは目の細かいコンパウンドが使われており、それ以外のものは目の粗いコンパウンドが使われていると思われます。
絶対的な指標ではありませんが、このような表記がしてある、塗装色を選ぶものはこれに該当します。
コンパウンド入りと書いてあれば言わずもがな、○○パウダー入りと書いてあれば間違いなくコンパウンド入りです。
研磨力が強めである商品が多いように感じますので、チカラをかけてガンガン施工しているとあまりよろしくない結果を招くと思いますのでご注意ください。
ナンセンスな考え方
「キズを消す」「キズを隠す」「キズを消す+キズを隠す」どれがより優れた方法かと単純には比較しようがありません。
それぞれにメリットデメリットがありますので、何を求めているかによって何が適しているかは変わります。
頭の中を整理し、答えを引き出すためのお手伝いもしています。
必要であれば遠慮なくご連絡ください。その真剣さに僕も真摯にお応えします。
周辺環境によってはキズは見えたり、見えにくくなったりするんです
タイトルにある通り、光源のあるなし、光源の角度、明るさ、汚れ具合、水濡れ、などによってキズが見えやすかったり見えにくくなったりします。
その中でも一番大きな影響があるのは光源の有る無しだと思います。
- 光が当たっているとキズはよく見える。(ワックスなどのギラツキもよく見える)
- 日陰だとよほどひどいキズ以外は見えない。(ワックスなどのムラはよく見える)
光源によってキズの状態が全く見えなくなることもあります。逆にビックリするほどによく見えることもあります。
光源の有る無しがキズの見え方を大きく変えます。
言葉で説明しても分かりにくいので、実際の写真を見ていきます。
光源が有る無しによる洗車キズの見え方の違い
このクルマは2018年12月ごろに僕が購入した走行距離12万キロを超える中古車です。
多分手洗い洗車されてきたクルマだと思いますが、僕の手元に来た時点でこのように洗車キズだらけでした。 光源の反射がボケているのでよく分かります。ボケボケです。
お子さんが多い家庭で使用されていたらしく、洗車キズのみならず何かをぶつけたであろう少し深めのキズも実はたくさん付いています。
マイティ3を施工した箇所と未施工箇所にライトを当てて、キズを見えやすくして撮影しました。
マイティ3施工部分は、キズによって出来た溝を埋めて乱反射しにくくしているのでこのようにキズが隠れます。
キズを隠すことでこれだけの仕上がりが簡単に手に入ります。
未施工箇所は細かい洗車キズのせいで、タマゴの薄皮が一枚乗っているかのように塗装が白くボケて見えます。
こちらの写真は、マイティ3を全面施工してからひと月後くらい、曇りの日のお昼すぎに出来る限り同じ角度で撮影しました。
深いキズもあったはずなのに、洗車キズはどこ行った?
全く同じクルマの同じ部分を撮影しているのに、光源がないだけで見た目がこんなに違ってしまいます。
人によって見える見えないもあります
洗車に興味がない人は、洗車キズのことなんてそもそも気にしていないからです。
(ぱっと見)めっちゃキレイじゃん!
いやいやいや、何をおっしゃる。
ここにもあそこにもキズがあるんですよ。。。
こんなやり取りは洗車好きあるあるですね。
僕なんかクルマのそばに立っているだけで、、、
いつもクルマがピカピカですね!
洗車前の一番汚れた状態なんですが、ハハハ。。。
なんていうこともありますよ。先入観ってスゴイ笑
キズが非常によく見える、ごくありふれた日常的な場所
一つは、蛍光灯がたくさん並んでいる夜の駐車場です。
もう一つは、水銀灯の真下です。
ショッピングモール、デパート、スーパーマーケット、パチンコ屋等々、こういった駐車場がこれらの条件に当てはまるかと思います。
出掛けた時に気にしてみると面白いと思います。
こんなにキズが!とビックリすること請け合いです。
キズだらけの実物が写真や動画だと見違えてしまうトリックについて
この話しは余談になりますが、、、
オークションなどでクルマを買ったことがある人は経験あると思います。
写真で見た時と実車を見た時の印象が違う。。。
なんてことを経験したことがあるのではないでしょうか?
それには実はカラクリがあります。
- 少し遠目に撮影する
- 陽が陰っているときに撮影する
たったそれだけの工夫によって、キズだらけでも実物以上にキレイな印象を与えるクルマの出来上がりです。
本当はもう一つあるんですが悪用されてもイヤなので言えません。
そんなことしなくてもキレイに写ってしまいやすいので、「もしかしたら、、、」と危険予測をしつつ話半分的な見方をしていった方が賢明です。
僕自身は動画や写真を撮影するときに、キズがしっかり写るように様々な努力をしています。
嘘になっちゃうとマズいからね。
肉眼で見た時の印象とあまりにかけ離れている場合は、せっかく撮った動画も写真も全部ボツにしています。もったいないですが。。。
塗装色によってキズが付きやすい、キズが付きにくいがあるって本当なの?
白やシルバーはキズが入りにくいから洗車がカンタン。
黒はキズが入りやすいから洗車が大変。
こんな話を聞いたことがあるかと思います。
僕自身も昔からそのような話しを耳にし、そしてその話しを特に疑いもせず信じていました。
でも冷静になって考えると
なぜ色が違うだけでキズの入り易さが変わるのか?
という疑問が浮かびます。
今どきの塗装は色のついた塗装の上に必ず透明なクリア塗装がされています。
色によってクリア塗装の種類が違うんですか?
という質問をプロにぶつけたところ、、、
基本は同じはずだよ
という返答でした。つまり塗装色が違ったとしても、、、
「粗が目立つのか、粗が目立ちにくいのか」の違いでしかない
ということです。
これは余談ですが、、、
- ムラになりやすい、ムラになりにくい
- 油っぽくギラつきやすい、ギラつき難い
これらも塗装色による粗の見え方が違うというだけです。
白やシルバーなどの粗が目立たない塗装色も、黒色と変わらず洗車キズをはじめムラやギラツキは実際には起きています。
黒だと思って他の色も同じように施工すると仕上がりが断然違いますよ。
難しい理屈は僕には分かりませんが、、、
夜に透明な窓ガラスを見た時に鏡のように室内の様子が反射し、さらには表面の汚れ具合がよく見えます。昼間に見ても夜ほどには反射もしないし汚れも目立ちません。
- 夜で外が暗い=塗装色が黒=粗が目立つ
- 昼で外が明るい=塗装色が白やシルバーの明るい色=粗が目立たない
洗車キズもこれと同じ原理が働いているように思います。
洗車キズをゼロにして洗車することは可能なのか?
洗車好きにとって、、、
洗車キズはなるべく付けたくはない。
というのが本音だと思います。
出来ることなら洗車キズをゼロにしたい。
こう思っている人もいるはずです。
だからなのか、洗車キズに関してのお問い合わせを非常にたくさんいただきます。
年間1000件を超えるお問い合わせに対応してきた経験を踏まえて、僕は洗車キズをどう捉えているのかお話ししていきたいと思います。
- まずは方法論としてどうなのか
- そしてその理論通り運用できるのか
このように分解して僕は考えています。
なぜこのように分解して考えるかというと、、、
洗車をするのはあくまで感情を持つ人間である
からです。どんな立派な理論であっても、結局やるのは人間です。
「何を選ぶかも大事ですが、どのように使うのかも大事」
どんなに素晴らしい方法であってもその狙い通り出来なければ意味がありません。
キズを出来る限りゼロに近づけた洗車をしたいのなら、一般的なシャンプー洗車の方が適していると思います。
シャンプー洗車は、界面活性剤のチカラで汚れを浮かし、大量の水で洗い流すという手法だからです。
スポンジやタオルで擦ることが最小限になればキズが付くことも最小限になるからです。
ここまでは方法論としての理屈です。
しかし実際の運用上では、、、
- 汚れがこびり付いていればゴシゴシ擦って落とそうとしてしまいがちです。
- 心理として、目に付いた汚れをしつこく追いかけてしまいたくもなります。
- 水滴が乾いてしまう前に手早く行う必要もあり、焦れば焦るだけ雑にもなりますし、チカラも入りがちです。
- 隙間に入った泡と汚れが十分に流されていないかもしれません。
- 泡で汚れが見えなくて不用意に擦ってしまうこともあるかもしれません。
- タオルの上に手を置いて拭いてしまうこともあるでしょう。etc
これらの問題の半分くらいは、純水を使った洗車をすれば解決できると思います。
それが出来れば苦労はしない、、、と思っている、制限のある中で洗車をされている方に向けて言いたいことは、、、
キズが入る最大の原因は
「砂ぼこりが付いている状態でチカラを入れて擦ること」
砂ぼこりとは、いわば「小さな岩」です。
それが付着した状態でチカラを入れて擦れば、耐水ペーパーでやすることと同じことになります。
僕が言うチカラを入れる行為とは、、、
タオルの上に手を置くことさえチカラの入れすぎ
欲を言えば重力さえも抜きたいくらいです。(不可能なことですが。。。)
仮に砂ぼこりが付いていなくてもチカラを入れて擦ると結構キズが入ります。
僕のところにはこんな相談がときおり来ます。
高価なファイバークロスやムートンを使っているにもかかわらず、目に見えてキズだらけになっていってしまうんです。。。
結局、いくら柔らかい物であっても、擦ればキズが入るということです。メリットが何も活かされていないことになります。
僕自身はシャンプー洗車をしませんが、バケツ一杯の水洗い洗車を通して思ったこと。
洗車キズをゼロにするのはさすがに無理!
ただし、その洗車キズは許せるレベルのものか、許せないレベルなのか、その違いはあると思います。
水道設備がない、あっても使えない場所で洗車を行うという利便性を優先しつつ、キズが最小限となる工夫のしどころはあるということです。
- ポタポタ垂れないギリギリまで水を含ませたタオルで撫でるだけ(荒拭き)
- 水滴を拭き取るには硬く絞ったタオルで撫でるだけ(仕上げ拭き)
- タオルはキレイに畳む
- タオルを畳む際は空気を入れながらフカフカの状態にする
- タオルの上に手を置かない
- 砂ぼこりを取り除くことを念頭に置き、固着した汚れをゴシゴシ擦らない
- 砂が混じった鳥のフンは濡れタオルによる湿布工法でふやかしてすくい取る
- 汚れが多い場合はなるべくすすぐ回数を多くする
- 汚れが多い場合はタオルを一筆書きのように動かして往復させない
- 固着した汚れを取り除くには、2度3度水洗いを繰り返すか、次の工程であるマイティ3に任せる
キズについては極論言えば、風が吹けば分子レベルではキズが入っていると思います。(砂ぼこりが飛んでくる訳ですから)
究極という言葉に固執し過ぎるとノイローゼになります。
それだけクルマを取り巻く環境は過酷だということです。
そもそも道路を走るためのクルマに一切のキズを付けないという考えの行き着く先は「真空ケースに保管する」というような非現実的なことになっちゃいます。
そうなったらそのクルマ、乗れません。。。博物館にでも飾るんですか?
だからどこかで線を引くしかありません。それが現実的です。
僕の線引きは「太陽光の下で目に見えるのか見えないのか」という風にしています。
仕上がりに高いレベルを求めれば求めるほど、運用面での注意・工夫・技術・効率といったものがより求められます。
方法論だけでカバーできるほど甘くはありません。(非現実的な極端なことをせざるを得なくなります)
仮に全く同じ道具を使ったとしても、一方では洗車キズを最小限にした洗車となり、一方では目に見えて洗車キズが増える洗車となる。
人によって仕上がりが大きく変わるということです。
こういう理屈は洗車に限らず何であっても一緒だと思います。
つまり採用している方法が狙い通りのものであったとしても、その通りに運用されていなければ狙い通りの結果は得られないということです。
人間で例えると非常に分かりやすいです。
毎日歯磨きしていれば絶対に虫歯にならないのか?と考えた時に、それだけでは絶対にならないとは言えないはずです。
- そもそもきっちり歯磨きできていない
- 歯磨きした後に何かを食べてしまってそのまま放置
こんなことしていたら、毎日歯磨きしていたとしても虫歯になるのは当たり前です。
つまり毎日歯磨きするという方法論は良いとしても、虫歯を予防するという狙い通りとなるような運用にしないといけないということです。
洗車のことになるとこの「当たり前」がぶっ飛んじゃう。
不思議なことです。
なにかが起きているということは、起こるべくして起きています。
なので狙い通りになるように運用する努力が必要です。
分からないこと聞きたいことがあれば、遠慮なくご連絡して頂いて構いません。
何を期待して取り組んでいますか?
どのような狙いがありますか?
この部分がハッキリしていれば僕もお答えしやすいです。
上手くいかないからといって一方的に方法論や商品のせいにしても解決しません。
それでは方法論や商品に依存しているだけです。
- 方法論や商品は足し算
- 運用は掛け算
運用は疎かになりがちなゆえに、これくらいの意識で丁度良いと思います。というか、運用が疎かだと全てを台無しにする可能性もあります。
今手元にある商品をまずは使いこなしてみるというのも良い考えだと思います。
技術革命が起きて魔法のような商品が生まれたのなら、その商品の良さで運用度外視でゴリ押し出来る日が来るかもしれませんが。。。
今のところ、そんな魔法みたいな物はありません。
一般的なシャンプー洗車とバケツ一杯の水洗い洗車、どっちが洗車キズになりにくいですか?
こんなお問い合わせがあったときに「○○です」と端的に即答出来ない理由がこれで分かって頂けたと思います。
高硬度を謳う硬化型コーティングをしていれば洗車キズは入らないのか?
結論を先に言うと
洗車キズは入ります。
事実、硬化型コーティング施工済みのクルマがキズだらけというのを見ています。
なのでキズが入らないと断言してしまうとそれは嘘になります。
実験したことがある訳ではないのですが、もしかしたら硬ければ硬いほどキズが入りにくいのかもしれません。
仮にそうだとしても、お手入れの仕方次第では普通に洗車キズは入るということです。
あまり過信しない方がいいんじゃないでしょうか。
あと、付いてしまった洗車キズを消したいとなればコンパウンドで研磨する訳ですが、気軽にその選択肢を取る訳にはいかない事情もあります。
お客様の立場で考えた場合に、、、
高いお金を払って施工した硬化型コーティング。
その後さらにお金を掛けて研磨?
絶対無理です。。。
最初のコーティングもそうですが、研磨もそれほど安くはありません。
なにより研磨してしまえば硬化型コーティングを削り取ることになります。
ショップにとってはいいお客さんなのかもしれませんが、お客様からすれば看過できないことだと思います。
なので硬化型コーティングがキズだらけになってしまった方は、
クルマを買い替える時にまた考えよう。。。
再コーティングを検討するよりも、現状維持で問題を先送りしがちです。
精神的にも経済的にも負担が少ないこの考えに落ち着くの無理もありません。
ちなみに硬化型コーティングについてしまった「洗車キズを隠す」のは可能です。
齊藤〇美装オリジナルワックスであるマイティ3でキズを隠すことや、犠牲膜として硬化型コーティングの保護に使って頂くことも可能です。
洗車キズから少し外れた余談になりますが、、、
硬化型コーティングは、染みになりやすいというデメリットがあります。
上手に扱えば洗車を楽にしてくれるものとしてメリットを享受できますが、洗車にシビアさを要求されます。
水洗いだけで簡単ですよ~♪
と新車購入時に気軽に勧めてきますが、デメリットとそれをカバーする運用までしっかり伝えてくれるところがどれだけあるのでしょうか?
またそれらを理解した上で洗車できている人ってどれだけいるんだろうか?と思ってしまいます。
硬化型コーティングしたが故のトラブルはあり得ます。
そのデメリットが気にならない方にあーだこーだ野暮なことは言いません。(それを言ったらそもそも硬化型コーティングする意味さえ失いますが。)
こんなはずじゃなかった。。。
こういうことになるのが一番まずいと思います。
納車するときはある程度キレイな状態に仕上げているんだから、その後どう維持するかはお客様次第でしょ?
もっともそうな意見に聞こえますが、売り方が売り方だけに提供する側がそれ言っちゃダメでしょと思ってしまいます。
ですが残念なことに〇年保証というのはこの考えに則ったものです。染みだらけになろうがキズだらけになろうがそれは保証対象外です。
エンドユーザーのみなさんはどう思うのでしょうか。
お客様がそれ(維持は自分次第)を言うのならそれはそういう価値観だと言えますが、提供する側がこの状態に甘んじているといつか足元を掬われそうな気が僕はしています。
この問題に真面目に取り組むショップさんの姿勢には脱帽です。
コーティングの扱いが軽すぎないかとも思います。
新車購入の値引きはこれ以上出来ませんがコーティングは無料にしますよ~♪
こんな風に値引きに代わる便利な道具にされているのが事実です。
メリットを享受するには、デメリットをカバーする運用をしていかなければならないので、誰にでもオススメしていいものではないんじゃないかと思うんですが、この記事を見ている方はどう思いますか?
キッチリやろうと思ったら無料に出来るような事じゃないと思うんですが。。。
僕と同じことを思っている人も結構いるんじゃないかと思います。
〇Hとどれだけ硬度が高いかと宣伝に使用されているのもよく見ます。 (〇には数字が入ります、6Hとか9Hとか)
他社が行っている宣伝等についてとやかく言う筋合いは僕にはないですが、、、
- 硬いということが言うほどのメリットなのか?
- 硬ければ硬いほど良いと単純に考えていいのか?
なぜ僕がこんなことを考えるかというと、、、
例えば、、、アルミ板は非常に固いですが、アルミ箔のように薄い場合はどうでしょうか?
豆腐の上にアルミ箔を敷いたとしても、箸の先で軽くつついただけで穴が空くと思います。
硬度も大事だとは思いますが、薄いということも無視できない条件かと思います。
そして硬化型コーティングは塗装と違って非常に薄いんです。
硬いからキズか付きにくいと額面通り受け取っていいものなのでしょうか。。。
難しいことは分かりませんが、洗車キズだらけになっている硬化型コーティング施工車があるのは事実なので、僕のこうした考え方が全く以って的外れということもないと思います。
ワックスや簡易コーティングを塗り込む時になるべく余計なキズを付けないための工夫
洗車キズが入る一番の原因は
「砂ぼこりが乗っている状態で力を掛けて擦ってしまうこと」
ですがさらに言えば、、、
「どんなに柔らかい物であっても擦る以上はキズは入ります」
ので、全くのゼロにすることは物理的に不可能だと考えます。
洗車キズが付くことは避けられなくても許せるレベルか許せないレベルか、そこに焦点を当てるのが現実的です。
そのためには、、、
出来る限りチカラを入れず擦らずに仕上げるに越したことはない
ということです。
そのためには何が出来るのか、自分なりに考え実践してきたことをお伝えします。
「何を選ぶかも大事ですが、どう使うかも大事」の考えに則ってご説明します。
ケミカル剤選定に当たって重要視している3つのこと
どんなワックスやコーティング剤を選ぶかについて重要視していることがあります。
- ムラになりにくいこと
- 油っぽくギラつきにくい事
- 粉っぽくなりにくいこと
この3つを重要視しています。
これらがなぜ大事かというと、この要件を満たしていないと仕上げるまでに余計に擦る羽目になるからです。
キズを隠す効果を謳っている市販のワックスやコーティングは
- ムラになりやすい
- 油っぽくギラつきやすい
- 粉っぽくなりやすい(ワックスのみ)
キズを隠す効果を得る代わりなのか、こうした傾向にあります。
キズを隠す効果があっても、ムラやギラツキが出てしまい拭き取りを念入りに行わざるを得ないのでは、余計なキズを増やしかねません。(やり方にもよりますが)
僕が「以前扱っていたワックス」はこの傾向が強く、どうしてもスポンジやタオルで擦る回数が増えがちでした。それに粉っぽさが拍車をかけていました。(そのデメリットをなるべく抑えるテクニックはありますが。)
そうした欠点を改善すべく齊藤〇美装オリジナルのマイティ3は開発されました。
実際には「以前扱っていた商品」の製造元主導のひと悶着があって、新商品を開発せざるを得ない事情もあったんですけどね。
どうせ作るのなら欠点を改善してやろうと思ったわけです。
その結果、、、
- 仕上げるまでに必要な擦る回数が激減
- ゆっくり施工しているにもかかわらず施工時間がおおよそ半分
- 速乾ではないので慌てず一定のペースで施工が出来、均一に仕上げやすい
余計なキズを付けない運用がしやすいケミカル剤となりました。
トヨタの202ブラックのような、仕上げるのが難しい塗装色ほどそれが顕著に出ます。
洗車にはじめて取り組む方から、洗車マニア、プロの方まで、大好評です。
仕上がった時のツヤ感等は、洗車キズという観点から見ればどのケミカル剤を選ぶかは好みで良いと思います。
[運用]スポンジの3段階の使い分け
次にどのように使うかについてです。
汚れがこびり付いている等でどうしても擦りたくなった場合、僕は3段階の施工をしています。(マイティ3における施工です)
- ピンクの角スポンジで潰さず施工
- 黄色の丸スポンジに持ち替えて潰さず施工
- 黄色の丸スポンジで徐々にチカラを入れて施工
洗車に限らず清掃全般において、、、
チカラを掛けるというのは基本的には何かが間違えている。
と考えています。 チカラを出来る限り掛けずに施工するために考えた手順がコレです。
最終的にどうしてもチカラを掛けないと効率が悪すぎるという場合に仕方なくチカラを掛けています。
スポンジにチカラを掛けて潰し切って擦ってしまうと、局部的(指の形状)にチカラが入った状態で擦るということになってしまいます。
ピンクの角スポンジ、黄色い丸スポンジのどちらを使うにしても最初はチカラを入れずに施工してみます。それで上手くいくならそれに越したことはないからです。
チカラを掛けるくらいならまずはスポンジを少し硬いものに持ち替える。疲れず一定の施工をしていくのがコツです。疲れると嫌になりますので意外と重要なことです。
チカラを入れて施工するのは僕の場合、厚みのあるこの黄色い丸スポンジのみです。
塗装面に余計な負荷を掛けないようチカラを分散させるためにも、 スポンジの厚みのストロークの範囲内で施工することを心がけます。
さらに言うなら、なるべくスポンジだけで仕上げた方が塗装には優しいと考えます。(スポンジの固さにもよりますが)
なぜならスポンジとタオルを比較すると、厚みはスポンジの方があります。
厚みの分、掛けたチカラは分散する訳ですが、タオルだとどうしても手の形にチカラが入りがちです。
なるべく余分なケミカル剤をスポンジのみでぬぐい取り(スポンジ戻しと言っています)、タオルで拭くのは最小限もしくはしないというのが余計なキズを付けない工夫です。
この動画ではそれを意識して施工しています。
作業効率という意味ではタオルで拭く方が早いので、時と場合に応じて使い分けたらいいと思います。
[運用]スポンジが粉っぽくなってきた場合の対処方法
次回洗車するころには、スポンジに付いているマイティ3は乾いてしまっていると思います。
その粉が施工時にスポンジからポロポロこぼれだし鬱陶しくなっていきます。
それを回避するには、、、
洗車を始める前(マイティ3を付ける前)の乾いている状態で、パンパンパンと何度かはたくだけで解決します。
たったそれだけで施工中に粉っぽくて鬱陶しくなることはない程度には粉を落とせます。
粉が塗装面に落ちると見た目にも鬱陶しく、ファイバークロスで拭き取ろうにもわずかな静電気で塗装面に張り付くのでなかなか拭き取り切れません。粉が移動するだけの、ある意味モグラたたきをしているような不毛感を味わうことになります。
最初から粉っぽさが抑えられている、もし粉が溜まっても簡単にはたき落とせること、これ大事。
粉っぽさをゼロにすることは出来ませんでしたが、僕が「以前扱っていた商品」の粉っぽい鬱陶しさを知っているお客様からは非常に好評です。
[運用]新品スポンジの固さを取る「スポンジ慣らし」について
より丁寧さを求めていくのならスポンジ慣らしをすると良いと思います。
やり方は簡単です。
スポンジにパチンコ玉の半分くらいの量を5ヶ所ほど付けます。
ヘッドライトやテールランプなどでゴシゴシと馴染ませます。
マイティ3がなじんだら完了です。
目的としては
- スポンジの目を潰し固さを取ること
- マイティ3をスポンジ全体に馴染ませること
動画で見たい方はこちら。5分23秒あたりからスポンジ慣らしの解説をしています。
新品の時の固さを利用して汚れ落とししたいのならスポンジ慣らしせずそのまま使用することもありますが、洗車キズを気にするのであればスポンジ慣らしすることをオススメします。
また洗車ごとに毎回やるかは人それぞれでいいと思います。より丁寧にやりたいのであればやったらいいと思います。ただしマイティ3の消費量はどうしても増えます。
[運用]少し多めにケミカル剤を使っていくのも手です
少し多めにケミカル剤を使用するというのも手です。
これには2つのやり方があります。
- スポンジに付ける量を増やすやり方
- スポンジに付ける量は変えずに、一度の施工面積を小さくする(単位面積当たりの使用量を増やす)
ただし多くしすぎると拭き取りに手間を食いますので、少しだけ多めにすることでケミカル剤をクッション代わりにします。
なのでケミカル剤は水よりも粘度が高いものの方がその効果を感じやすいです。
なるべくチカラを掛けることに頼らず、ケミカル剤のチカラで施工していくということでもあります。なので汚れている、水あか、軽度のイオンデポジットを取り除く施工にうってつけの考え方です。
技術の進歩はスゴイ!今はキズを自動修復する塗装なんてものがあります
セルフリストアリングコート Self-restoring Coat(自己修復性耐すり傷塗装) やスクラッチシールド Scratch shield とか言われている塗装があります。
「柔軟性のある自己修復するクリア塗装」っていうやつですね。
浅いキズであれば自己修復してしまうなんて夢みたいな塗装だなと思います。
しかし環境にもよると思いますが、その自動修復の機能も新車から1年2年経つとだんだんと機能しなくなっていくと言われています。(板金塗装屋さんから聞きました)
なぜかというと、自動修復するということはそれだけ塗装が柔らかいからです。
時間が経つにつれ、塗装は固くなっていきます。
なのでキズを消す研磨はしやすくなるそうです。
自分のクルマをこの塗装にしたい!と願うなら、新車を買う時にこの塗装がされている車種を選ぶというのが一般的かと思います。
そのためだけに全塗装する人はいないと思いますので。。。
こういった塗装のメンテナンスにマイティ3を使用しても大丈夫ですか?
こんな質問も当然頂きます。僕の経験上は
はい、大丈夫です。
他のお客様やプロの方からもトラブル報告はありません。
マイティ3は非硬化型なので、自己修復を阻害しないと思われます。
僕が実践し提供している「簡単で楽しく続けられる洗車」について
どの位のスパンで洗車したらいいんでしょうか?
マイティ3はどのくらい持ちますか?
この質問が来ない日はない、というくらいにこの質問が来ます。
質問返しになって申し訳ないのですが、、、
現状どんな洗車をされていますか?
現状にどんな不満を感じているんでしょうか?
どういう洗車をしていきたいんですか?
どういう状態を維持したいんですか?
前情報なしに質問をされても僕は答えることは出来ません。
なぜなら答えは人それぞれだからです。
これは自販機にお金を入れなかったらボタンを押しても何も出てこないのと同じだと思ってください。
どういう風にお伝えするのが勘違いを防ぎ、お客様の問題を解決することに繋がるのか?
ということも考えています。言葉の選び方やお伝えする順番によって受け止められ方や理解が大きく変わるからです。
そうは言っても、お答えできることはあるので解説していきます。
どの位のスパンで洗車したらいいのか?
青空駐車だけど、いつもピカピカに維持したい。
洗車の手間が最小限となる維持をしたい。
そういう状況と要望があった場合と仮定してお話ししていきます。
- 塩化カルシウム(融雪剤)
- 花粉+黄砂
- 樹液 etc
これらは塗装に大きなダメージを与えてくる汚れです。
僕が提唱している「バケツ一杯の水洗い洗車」においては、これら汚れが付着してから2週間以上経過すると取れにくくなるように感じています。
取れにくくなっていた場合、2度3度水洗いをする羽目になります。
1回の洗車の手間を最小限にしたいとなれば「固着する前に汚れを落とす」必要があるので、、、
2週間以内に一回の洗車をオススメします。
そもそも「なぜ洗車をするのか?」と原点を考えた場合に僕は、、、
次の洗車を楽にするため。
と僕は考えています。
キレイにしたい、キズを隠したい、ツヤを出したい、撥水させたい、色々思うところはありますが全てこの「次の洗車を楽にするため」ということに繋がります。(僕の中では)
洗車しようと思ったけど、明日雨が降るみたいだしまた今度でいいや。
気持ちは分かるんですが、明日雨が降ろうが汚れようが今日までに付いた汚れを落として固着をリセットするという意味はあります。
美観を長く維持していこうとする意味では決して無駄ではありません。
そもそもなぜキレイな状態にしていたいのか?と考えた場合に、、、
- 人に見られたときに不快感を与えないたくない
- 人に見られているという意識を維持するため(安全運転に繋がる)
- キレイ好き、汚れているのが許せない
- 洗車が好き
- 集中できる楽しさ
- 大切にしているクルマやオートバイの維持管理、不具合チェック
- 成功の象徴
- 自己顕示欲を満たしたい
- 同じ価値観を持つ人へのアプローチ etc
というようなことがざっと上がるかと思いますが、さきほど説明した汚れの固着を踏まえた上でどうしていきたいですか?
答えはありません。
好きにしたらいいんです。
洗車に一切のお金も手間も掛けたくない人もいます。そういう人は洗車しないという答えを自ら決めています。
こうしなさいと与えられるものは答えではなく、単なる指示です。
答えに導くお手伝いは出来ますが、答えを決めるのはお客様自身です。
どうしても自分一人では答えが出せないなら遠慮なくご連絡ください。
マイティ3はどのくらい持ちますか?
持つ、というのは耐久性のことだと思いますが、何を以て持つとするのでしょうか?
- キズが隠れている
- ツヤがある
- ツルツルした滑り感
- 水の弾き、撥水
- 汚れの落ちやすさ etc
この何を以てに加え、どの程度を持っているとするのか?という問題もあります。
市販品の宣伝文句を見ると、、、
こんなことを謳っている訳ですが、環境によって解釈によって全く変わってくるはずです。
そして洗車好きな方は「書いてある通りに持つということはほとんどない」と眉に唾を付けて見ている訳です。
僕は怖くてこんなこと謳えません。
僕自身も経験があるんですが、半年耐久だか半年持続とかって書いてあった市販品が、1週間程度で効果が無くなったように見えたものがありました。
そんなことを踏まえて僕はマイティ3の耐久性は撥水具合を目安にしています。
この動画では前回洗車から2ヶ月経過した際の撥水具合を検証しています。
またマイティ3を再施工しての撥水具合も検証しています。
青空駐車環境下での実感としましては、、、撥水の切れやすいボンネットやルーフで2ヶ月ほどです。それぐらい経過すると撥水の水玉が少し崩れてきます。
ちなみに僕が前に扱っていたワックスは施工から1ヶ月もすると洗車しずらくなるほどに水滴がベチャっとなり撥水が切れかかってました。それを考えるとかなり耐久性が良いのではないでしょうか。
ただしここで勘違いされると困るのは、
撥水が持っているからといって
洗車のスパンを伸ばしていいことにはならない。
だって汚れは固着するのを待ってはくれないから。
ということです。詳しくは動画をご覧ください。
- キズが隠れている
- ツヤがある
この2つに関してだけで言えば気になったら再施工で良いんじゃないかと思います。
- ツルツルした滑り感
- 撥水
- 汚れの落ちやすさ
この3つに関しては洗車しやすさにつながる機能的な要素ですので「どの位のスパンで洗車したらいいのか?」で説明した通り、理想は2週間以内に1回洗車するのが良いと思います。1回当たりの洗車の手間が非常に少なくて済むからです。それ以上にスパンをあけていくと汚れは徐々に固着していき、汚れの種類にもよりますが塗装に染み的なダメージを徐々に与えていくと考えます。
こうしたことを踏まえたら、あとは個々人のどうしたいかによります。
答えはありません。
好きにしたらいいんです。
という、さきほどの「どの位のスパンで洗車したらいいのか」と同じ結論に落ち着く訳です。
上記2つの質問の裏にある真意を探る
どの位のスパンで洗車したらいいんでしょうか?
マイティ3はどのくらい持ちますか?
ここまでの記事を読んだ人だからこそ言えることなんですが、この手の質問が来ると僕はその質問の裏にある真意を非常に慎重に探っていきます。なぜなら、、、
いつまで洗車しなくて良いのか探っているかのように聞こえるからです。
他にも、、、
- シャンプー洗車を何回するとマイティ3の効果は切れますか?
- キズ隠しの効果はどれくらい持ちますか?
- 水洗い何回に対してマイティ3を施工したら良いですか? etc
こういった質問がよく来ます。
こういった質問に対して僕が考えることを、先ほども出てきました歯磨きを例にしてご説明します。
虫歯にならないように毎日歯を磨くというのは常識かと思います。
そこで「いつまで歯磨きしなくても虫歯にならないか」って考えますか?ということです。
リスクが現実のものとならないよう、予防するという意味で普通は考えると思います。
そういうつもりで質問しているわけではないのかもしれません。
でもだからこそ僕は安易に答えず、まずは耳を傾け、慎重に言葉を選んで話しを進める訳です。
ちなみに僕はどんなに上手に水洗いが出来たとしてもわずかにでも水滴痕が付くことを知っているので(真っ黒いクルマだとわずかに見える)、絶対に水洗い後には軽くでもいいのでマイティ3を掛けます。
そんな前置きをした上で僕自身の感覚でマイティ3のキズ隠し効果がどれくらいの期間持つかというお話
雪の降らない静岡での青空駐車環境においては2週間持たないなと感じます。
ただし僕がそう思うだけで、クルマのオーナーさんから
マイティ3を施工していなかった以前より全然いいと思うんだけど。。。?
という感想をもらう場合もあります。
この動画は、2週間に一度洗車しているデミオのキズ隠しの様子です。(何度も同じ動画を出して申し訳ないですが。)
つまり施工する前の状態は、前回のマイティ3施工から2週間経過した上で水洗いした直後のキズの見え具合です。
ここで重要なのは何を以て持つ持たないかとするのかということです。
僕がここでいう持つ持たないは「陽が当たった部分のキズが浮き出て見えはじめる」というレベルでのお話しです。
当然、キズの深さや雨や陽の当たり具合でも変わってきます。
カメラワークによってキズが見えやすいように工夫をしていますが、肉眼で見た場合にこの細かいキズに気が付かない人もいる程度の、本当に細かいキズです。
シビアに見れば持たないと評価しますが、一方で2週間経過した程度ではぱっと見の印象については遜色はないなとは思います。
クルマの使用環境や駐車環境をはじめ、個々人の感覚(ニュアンス)が違うわけなので、一概にこうですとは言いずらいことをご理解ください。
手堅くいきたい方は無料サンプルでお試しすることをオススメします。
汚れを落とすこと、染みにしないこと、キズを付けないこと、優先順位をどう付けるのか?
いつもピカピカ、そんな美観を維持する上では
汚れをしっかり落とし切ること
これが大前提です。汚れを残すと美観が引き出しにくくなります。
次に染みにしないこと。
その次に余計なキズを付けないようにすることだと僕は思います。
優先順位を付けるようなことではないと言えばないんですが、つけるとしたらこの順番です。
今回は洗車キズがテーマなので細かい説明は省きますが、キズよりも避けなければいけないのが染みです。ひどい染みになると研磨でさえも対応不可となるからです。
洗車キズ程度ならキズを消すために軽い研磨を掛けたり、キズを隠すワックスなどで対処できます。しかし染みは症状が進むと塗装が陥没する場合があります。つまり物理的に大きく損傷する訳です。そうなったらキズどころの騒ぎではありません。塗装し直す以外にどうにもならなくなる場合さえあり得るのが染みです。
この写真の状態は、仮に研磨したとしても染みをどこまで消せるのか、やってみないことには分からないのが正直なところです。削り過ぎてしまうかもしれないというリスクを負って、どこまで追いかけるかというのがこの塗装の状態です。
- 汚れがこびり付く前に洗車すること
- 染みを作らない洗車をすること
この2つがあってこそ、余計なキズを付けない配慮が活きるのだと思います。
この2つを考えずしてキズのことばかり言っている人は、失礼を承知で言わせてもらうと、しっかり歯磨きしたあとに飴玉をしゃぶっているような感じに僕には見えます。
結局、マメに洗車するというのが最終的に行き着く答えにして唯一の特効薬だと僕は思います。
汚れるという物理現象からは今の科学力では逃げられないということです。
「いつまででも持つ高い耐久性」という考え方は魔物です
長い間キズが隠れる商品(ワックスやコーティング)が仮にあったとします。
長くキズを隠してくれるに越したことはないよね
と思うのが普通だと思います。僕も以前はそう思っていました。
しかし、汚れること自体からは逃げられません。どんなワックスもコーティングもこの自然現象から逃れることは絶対に不可能です。そして汚れを放置すると徐々に固着していき、最悪染みになります。
キズを隠す効果に限らず、撥水効果が長く続く商品も同じです。
洗車しなくてよくなる、洗車のスパンを伸ばしていい、便利な機能ではありません。
だからこれまで耐久性についてあまり言及してきませんでした。非硬化型のワックスやコーティングにおいては、耐久性なんてものはどんぐりの背比べ程度にしか感じないというのが正直な感想です。だから犠牲膜って言われるんじゃないのかとも思います。
ぶっちゃけマイティ3の耐久性は、一般的なワックスの2倍以上あります。ですがそれを前面に出してしまうとその耐久性の分、洗車のスパンを伸ばしていいと捉えられかねません。末永く美観維持していく上でその考え方は毒になります。
さきほどもお話しした通り、美観維持を追求したければ
- 汚れを落とし切ること
- 染みにしないこと
- 余計なキズを増やさないこと
という優先順位から外れてはいけないと僕は思います。
僕自身の経験則から、付着した汚れは2週間経過したあたりから固着し始めると考えています。
いつもピカピカでいたいのなら2週間以内に洗車し続けていくのをオススメします。それが一番洗車を楽にする方法でもあります。(水洗いだけでほとんどの汚れが落ちるのでマイティ3はキズ隠しと撥水効果補充のための施工として専念できます)
つまりそれがチカラを掛けずに疲れない、簡単で楽しく続けられる洗車になるということです。(動画用にカッコつけている訳ではなく、本当にこのように施工しています)
とはいえ、それ以上のスパンを空けるのならそれはそれでそのオーナーさんの価値観です。否定されるものでも否定するものでもありません。ましてやレベルが高いとか低いとか比較するものでもなく、卑屈になるところでもありません。
どういう状態で維持したいのか。
その価値観のもと、気になったら洗車するという風でいいのではないかと思います。
人が良かれと思ってやっていることに余計な口出しをするのは野暮ってもんです。
僕自身も自分のクルマはかなり適当な感じですよ。(洗車を仕事にしていると自分のクルマの洗車が疎かになりがちです汗)
もし耐久性うんぬんを追求するのなら洗車をある程度短いスパンでしっかり出来てから、はじめてケミカル剤の性能(ここではキズ隠しの耐久性)を求めるのが順当ではないでしょうか。
そうしないと「耐久性が高いがゆえに美観を損ねる」という本末転倒が起こります。(硬化型のガラスコーティングでこの罠にはまっている人が多いように感じます)
人間で言えば身だしなみに気を配っている人が「今日はあまり汗をかかなかったからお風呂入らなくていいや」って絶対に言わないと思いませんか?
いつまででも美観を維持するというのは、ケミカル剤だけに求めるのではなく、あくまで人間が手を掛け続けるというところで見出すものだと僕は確信しています。
こうした考えを生み出した背景
クルマやオートバイに興味を持ち始めたのが20才のころ。それから約20年。
手作りバイク塾3期生としてオートバイのフレームをいちから作ったりと色々な経験もしてきました。
そうした下地はあったものの、今ある洗車についての考え方や理論のほとんどは仕事である出張洗車から生み出したものです。
出張洗車とは、、、
ご依頼のあったお客様のクルマが駐車されている場所に出張して、その場で洗車するサービスです。
一般的なシャンプー洗車を採用できない駐車場所での洗車ばかりやってきました。
- マンションの地下駐車場のような、水道設備がないような場所
- アパートの駐車場のような、水道設備があっても使えない場所
- ショールーム内のような、水をこぼせない場所
- 水を掛けないでくれというご要望
ある意味でのシビアさに応えて培ってきたノウハウを元にしています。
今はクルマに乗り換えてしまいましたが、少し前まではスクーターで出張していました。どっちみち雨が降ったら屋根がないところでは洗車出来ませんので、特別不都合なくこれで仕事してました。
持っていける水の量はバケツ一杯のみ。
持っていく機械はハンディ掃除機のみ。
洗車道具は全てボックスの中。
シャンプー洗車しないんですか?
なんて聞かれることもありますが、しないんじゃなくて出来ないんです。だからシャンプーを1個も持っていません。
以前、採用しない理由を記事にもしましたが制限あっての選択というのも事実です。
出張洗車の仕事をはじめた当初は
何はともあれ、まずは出張洗車の依頼を獲得しよう。
と思って、毎日ひたすらチラシをポスティングしていました。結局10万枚くらいまきました。
統計データがあるわけでもなんでもありませんが、「洗車を誰かに頼みたい」よりも「自分で洗車したい」という人の方が多いように感じます。
そして、ほとんどの方は何かしらの制限の中で洗車に取り組んでいます。
あるときは諦め、あるときは妥協し、色々な情報に振り回され、使い切らないケミカル剤の山を築いています。その姿を見ている家族からは、、、
何で使い切っていないのに新しいケミカル剤を買うの?
そんな大蔵大臣からの厳しい指摘を受け
お小遣いの範囲でやりくりしているし、
悪い事をしている訳じゃないのに反論できない。。。
そんなくやしい思いをしている人がたくさんいることに気付きました。
苦肉の策で買ったものを隠す人もいます。(コンビニ受取万歳!)
洗車という業種の中で僕はどんな問題に取り組む存在なのか?
これが僕のコンセプト
僕一人がどんなに頑張ったところでそれほど多くの台数を洗車出来る訳ではありません。
だったら少し変わったこの仕事で培った、少し変わった洗車方法だけど、そこで得た知識やノウハウを包み隠さず公開して自分で洗車をしている人の役に立てばいいと考えるようになりました。
お客様視点で言えば問題が解決するのであれば、、、
- 洗車するのが僕である必要性なし
- お客様自身が洗車しても良し
- 他の業者さんが洗車しても良し
- 僕が扱うワックスを使っていないとしても良し
僕が実践し提供する洗車にタブーを設けるつもりはありません。というのも、、、
「洗車をするのはあくまで人間である」
ということを強く意識しているからです。
楽な方に流れる、疲れたら嫌になる、辛いこと面倒なことは避けたい、それが人間です。
そこで僕が出した答えが「バケツ一杯の水洗い洗車」であり「マイティ3」というオリジナルワックスというだけのことです。
洗車の答えは一つじゃないし、タブーを設けず多様性があった方が楽しいと思います
僕が提唱しているバケツ一杯の水洗い洗車。
研磨やコーティングや洗車を仕事にしている一部のショップさんは快く思っていないらしく、、、
そんなやり方ではトラブルになるに決まっている。
今どき綿タオルを使うって、、、素人かよ。
という風に思われているらしいです。
そんな話しをお客様伝いで耳にします。(さすがに直接ショップさんから言われたことはないですが)
そのような評価は僕にとってはどうでもいいんです。
マウントの取り合いに興味はありません。
技術の高さや商品の性能の良さというのは、目的ではなく単なる手段でしかありません。
それらを使って何がしたいのか?が大事だと思うんです。
僕の答えはたった一つです。
お客様の問題を解決することに使って喜んでもらうことです。
でも全ての人を満足させるのは不可能です。
だから色々な考え方やアプローチが存在してもいいんじゃないですかね。
僕は僕なりの手段と目的で、そう思わない人はその人なりの手段と目的で、お客様の問題を解決し満足する方向へ導いていければそれでいいんじゃないでしょうか。
多様性がなくなったらツマラナイ業界になっちゃいますよ。
まとめ
ここまで長文お読みくださりありがとうございます。
ところどころ今回のメインテーマである洗車キズのことから外れていたところもありましたが、参考になりましたでしょうか。
- 僕のやり方をそのままマネするも良し
- 一部要素を抜き出して取り入れるも良し
- 全く参考にならなければそれが分かっただけでも良し
こうだったらいいのにね♪
こういう心の声(感覚)ってスゴク大事だと思います。
極端に言えば洗車しないということすら一つの答えです。
どのような方法を取るにしても「洗車に取り組む人が満足する」ということが大事だと思っています。
そしてその答えは人それぞれです。
ようは「楽しんだもの勝ち」ってことでしょ。
その答えを得るきっかけになること、欲を言えばその答えを支える存在になれれば幸いです。