コーティングによる「汚れが付きにくい」はある意味ウソ、本当は「汚れを〇〇しやすい」が正確な表現です
コーティングをすると汚れが付きにくくなる。。。
そんな言葉をお客様から聞いたものですから、出張洗車を仕事にしている僕としてはそれに対してどう思っているのかブログ上で吐き出させてもらおうと思います。
僕が今まで仕事で洗車してきた経験で言わせてもらうと、、、
水分を含んだ状態で汚れが付着し、乾く事で固着する、というプロセスの前にはどのような塗装もコーディングも必ず汚れます。
例:雨上がり後、風が吹いて砂ぼこりをかぶり、そして乾く
どこで聞いたかというのは置いておきますが、、、
コーティングをすれば洗車しなくていいとか、水を掛ければOKとか、「そんな訳ないじゃん!」と突っ込みを入れたくなるようなことを聞いたことがあります。
その根拠として水を掛けて汚れが落ちる実験を見せられることもあるかと思います。
実際に目の前でやって見せてくれたり、または映像資料があるならば、それ自体は嘘ではないのかもしれません。
「汚れが付きにくい」という言葉も非常に巧妙だと思います。
これは洗車という労力を掛けずに美観維持されるというニュアンスを少なからず含んでいます。
僕だったらそういう風にとらえてしまいます。
本当に実現できるのであれば、その機能が維持されるのであれば、ある意味夢のような機能です。
しかし、実際のクルマに施工してからその効果は本当に発揮されるんでしょうか。
コーティングを施工したばかりのころは、それでも汚れが付きにくい固着しにくいようには思います。
一番性能を発揮しているタイミングですからね。
それでも洗車したことがある人は分かると思いますが、それなりに汚れています。
(特にバケツ一杯の水洗い洗車術で洗車している人はどのぐらい汚れていたかは綿タオルやバケツの水を見れば一発で分かります。)
ザーっとそれなりの量の雨が降ると汚れが結構流れ落ちてはくれますけどね。
しかし、思ったようにはならないときが来ます。
なぜならば、クルマが汚れるたびに都合よく雨が降ってくれるわけではないからです。
場合によっては何週間も晴れが続くことだって考えられます。
汚れだって乾いて固着してきているかもしれません。
また時間経過とともにコーティングの効果が弱くなっていきます。
固着した汚れがさらなる汚れを呼びます。
下手をすれば染みが出来、染みに汚れが溜まりやすいという悪循環が生まれます。
一度汚れが付きにくいと刷り込まれてしまえば、汚れの程度やボディの状態のチェックを誰がするでしょうか?
無意識にはその汚れに気付いていたとしても、見たくないものは見ないというのが人間です。
気付いた時には手遅れ、そんな話しをよく耳にします。
(新車時にコーティングしたクルマが半年で染みだらけとか。)
現実での運用でどうなのか?をデメリットを含めて言ってくれないと、過剰な期待や勘違いから信用を無くすと思いますがみなさんはこういう現状をどう思うんでしょうか?
僕はコーティングの「汚れにまつわる効果」として正確には、、、
汚れを落としやすくなる
と考えています。
- コーティングされると表面がツルツルになる
- 水を弾く(撥水する)ので汚れが浮きやすい
こうしたことから汚れを落としやすくなっているのではないかと思います。
科学的な難しいことは分かりませんが。
汚れが付きにくいというのはオマケくらいに考えています。
汚れを落としやすくなる=何らかの労力を掛けないと汚れは落ちませんよということです。
そこに勝手にキレイになるというニュアンスは含まれていません。
これなら過剰な期待や勘違いをさせてしまうことも起こりにくいんじゃないかと思います。
ある程度自然(雨)に任せるか、労力を割いて行う(洗車)のかはその人次第です。
晴れの日が続いたのなら汚れも固着してきているでしょうから、たとえ雨が降っても落ち切らないかもしれません。
確実なのは洗車するということです。
ただいつまでもその性能を発揮できるコーティングはありませんので、コーティングのお手入れはまた別問題です。(お手入れ出来るコーティングであればの話し)
「汚れを落としやすい」「汚れが付きにくい」
ほんのちょっとの言葉の違いでしかありませんが、意味が大きく変わるということに注意が必要です。
タイトルにある「汚れが付きにくい」を発揮するには条件がシビアです。
- コーティングが新しいうち
- 汚れが固着する前にまとまった量の雨が降ること
たまたまこの条件に当てはまることがあっても、これだけに頼って美観維持は出来ないということがよく分かるかと思います。
クルマやオートバイを美観維持したかったら「汚れの落としやすさ」を利用して洗車すべきです。
自分でやるのか、機械に頼るのか、人にやってもらうのかはその人の判断です。
僕はこれまでにいろいろなコーティング車を洗車してきましたが、「汚れの付きにくさ」「汚れの落としやすさ」という点ではあまり違いがあるようには思えません。
少なくとも、洗車をしなくて済むような「汚れの付きにくさ」なんていうのはお目にかかったことはありません。
乱暴に言えば、そんなものはないと割り切った方が変に頼ることがなくなって清々します。
また塗装はボディ(鉄やアルミ)を守るコーティングであると言えますので、メンテナンスがしっかりできていればコーティングと同じ働き(汚れを落としやすい、水弾き、色ツヤ輝き、保護)をしてくれるはずです。
僕の扱うピッチレスコートや窓ガラスコートは「汚れの落としやすさ」を維持するための保護膜の補充や入れ替えが簡単に出来ます。
その手軽さが僕は大変気に入っています。(仕事的にも個人的にも)
同じ性能や機能を得る上では、手軽であることシンプルであることが非常に大事だと僕は思います。
高耐久性のコーティングは、時間が経てばたつほど性能が落ちっぱなし「悪くなったらそれまで」です。僕が取り扱わない理由の一つです。
(高耐久性のコーティングの上からピッチレスコートを掛けることで美観維持は出来ますが、はじめからピッチレスコートを掛ける予定であるならば高耐久性のコーティングに何の意味があるのかという疑問を持たざるを得ません)
高耐久性のコーティングは、車検が来たらすぐに乗り換える的なクルマの乗り方には最適だと思いますが(手放した後のことなんて気にする必要がないから)、5年後を考えた場合ですら取るべき選択肢ではないと今のところ考えています。