洗車で美観維持するための教科書最初の一ページ、ケミカル剤や洗車方法を選ぶ際のとっかかりにどうぞ。
あなたが選んだそのケミカル剤は、あなたが採用する洗車方法に合っていると言えますか?
もしくはあなたが採用する洗車方法は、あなたが選んだケミカル剤に合っていると言えますか?
経験を積んでいくうちに、なんとなく今の形に落ち着いた。
大抵はこのパターンですが、もっと明確にすべき点とアバウトでいい点をはっきりさせ、より自信を持って、楽しい範囲でこれを追求していきたいと思いませんか?
洗車をやったことがない人にとっては、
とりあえず真似してやってみようかな。
と思えるシンプルさの追求です。
そう思わない人はそっ閉じでお願いします。
ケミカル剤選び、洗車方法、このどちらかだけに依存したゴリ押し戦法で美観維持し続けられるほど甘いものではありません。
今も昔も、手を掛け続けることが美観維持における特効薬
とはいえ、手を掛けさえすれば他のことは適当で良い訳ではありません。
たとえ青空駐車環境であっても誰でも簡単に美観維持できるコツはあります。(コンテスト出場レベルを青空駐車で求められても困りますが)
これは料理でも同じです。
最高の材料を用意できなかったとしても(たとえ冷蔵庫の余り物、鍋一個、卓上ガスコンロ一台であっても)、調理のコツを知っていれば、それなりに美味しい料理になります。
コツを掴むというのは、
- 同じ結果を出す上でどこまで手を抜けるか
- 絶対手を抜いてはいけないポイントは何か
という理解を経て実践が出来る、少なくともその試行錯誤が出来ることを言います。
実際に洗車するのは「面倒くさいという感情を持つ人間」です。
「続けられない洗車」となっては意味がありません。
僕のような早食いの貧乏舌、飽きっぽくて疲れると嫌になってしまう胴長短足腰痛持ちの痛風おじさんが、水を満足に使えない環境下であっても簡単で楽しく続けられる洗車を実践出来る。
いかに楽に、疲れて嫌にならないようにするか、それが齊藤〇美装流です。
僕が提唱する「簡単で楽しく続けられる洗車」というコンセプトはご自分で洗車を望まれる方に向けて
- 【松】コンテスト出場レベルにしたい
- 【竹】洗車好きに一目置かれるレベルにしたい
- 【梅】スーパーなどで同じ年式同じ車種が横に並んだ時に「勝った」と思えるレベルにしたい
と3段階評価した場合、主に竹や梅を望む方の手助けになれるようにと考えています。そしてコツさえ掴めば「洗車好きに一目置かれる美観維持」程度は誰にでも出来ます。
もっと言うと、その時々の状況や施工箇所や症状に応じて意図的に仕上がりを調整出来るようになります。
その「簡単で楽しく続けられる洗車」を支える、基礎となる考え方をここに公開します。
この考え方、そして僕が何を見ているのかを知ることで、
- 今使っているケミカル剤が、自分の洗車方法に合っているのかの判断
- 自分の洗車方法に、今使っているケミカル剤が合っているのかの判断
- 逆に言えば、ケミカル剤や洗車方法に何が足りていないのか
- 新しいケミカル剤を使ったとき、洗車方法を変えたときの評価
- 真夏の炎天下で洗車しても染みを一切付けない洗車のコツ
- 洗車に指針を持つことになり、情報の取捨選択や真偽判断が上手になり、惑わされにくくなる(固執するとは違います)
といった知識を得ることになります。
この知識を理解しているかしていないかで、
仮に僕の隣で同じものを見ていても全く違う解釈となり、見えるものが変わる
というほどに基本的な知識と言えます。
応用が利く見識を得たいですか?
そこまでは必要ないです。
という方は、僕のYOUTUBE動画を見て真似するだけでも十分得たいものは手に入るはずです。
また僕以外にも色々な情報源はある訳なので、とりあえず良さそうと思った人の真似をしてみるというのも良い取っ掛かりになると思います。
ぜひ知りたいです!
という方はこのまま読み進めて下さい。また事あるごとに読み返してください。どうしても疑問に思うことなどがあれば僕にぶつけてくれて構いません。僕を上手に活用する方が一番得をします。
僕は誰に教わるでもなく仮説&実証をただひたすら繰り返し得た見識ですが、そんな無駄な苦労はせずとも、教わった上で実感すればそれで済みます。
僕が洗車してあげられる台数なんてたかが知れていますので、皆さん自身での「簡単で楽しく続けられる洗車」を実践するお役に立てれば本望です。
本当は無料で公開するようなノウハウではないと思いつつも、いつも通り無料公開です。
目次
洗車の目的、目標、そして意図的にベターを選択できる重要性
このページをご覧になっている方のほとんどは洗車に興味がある方だと思って、一つお聞きします。
洗車の目的は何ですか?
こう聞かれた場合、多分色々出てくると思うんです。
- 汚れを落としてピカピカにしたい
- 水あかを取りたい
- 染みをどうにかしたい
- キズを隠したい、キズを消したい
- 水を弾くようにしたい(撥水・親水とか)
- ツヤが出るようにしたい
- 次回の洗車が楽になるように汚れを落ちやすくしたいetc
これをふまえてもう一つ踏み込んだ質問をさせて下さい。
洗車の各工程における目標はなんですか?
案外とこの質問に明確な答えを持っていないんじゃないでしょうか?
仕事にする訳じゃないし、そこまで考えなくても良くないですか?
そう言われちゃうと話しが終わっちゃうので、「好きこそものの上手なれ」という言葉もありますし、少しお付き合いください。
「水洗い」を例に、僕が自分自身にどのような問いかけをしているかというと、、、
- そもそも水洗いの目的は何なのか?
- 水洗いにおいてどの程度の仕上がりレベルを目標にするのか?
- その仕上がりレベルを次の工程に求めたら何か支障はあるのか?またどちらの方がより早いか楽か?
- その仕上がりレベルに到達したとどのように確認し判断するのか?
- 対処しきれないと受け入れざる(諦めざる)を得ない症状は何か?
ということです。
これらに明確な答えを持つようになると、ケミカル剤と洗車方法を選択することで生まれる縛りの中で、、、
- 目標とする仕上がりレベルをどこまで追求し引き上げられるか
- 同じ結果を出す上でどこまで手を抜けるか
- 絶対手を抜いてはいけないポイントは何か
という理解を経て実践が出来る、少なくともその試行錯誤が出来るようになります。
盲目的にベストを求めるのではなく、意図的にベターを選択できる精神的な自由さを手に入れてほしいんです。
単なる妥協の産物としてベターを選択するのではなく、何を目的にどう目標設定し取捨選択を行うかを明確にしているからこそ出来ることです。
物理的な不自由さを受け入れることは、精神的な自由さを生み出します。
このように自らに問いかけ答えを求めていくのには理由があります。
単なる精神論ではありません。
- 言葉で説明出来るということは、他人が理解出来ます。
- 理解が出来れば、僕以外でも再現出来ます。
- 経験値という名の屍を乗り越えてきたプロには敵わないものの、非常に素早くプロレベルの視点と仕上がりを得ることが出来ます。
難しいことなんてする必要ありません。というか僕にもそれは出来ません。すべきことの中から出来ることを粛々とやるだけです。
僕と同じやり方を採用しなかったとしても、美観維持を求めるなら目的は同じ、すべきことも同じです。
とすれば、今あなたが採用しているケミカル剤や洗車方法で何が出来ていて何が出来ていないのかといった視点で見直すことが出来るのではないでしょうか。
僕が採用しているケミカル剤や洗車方法は、僕が出した一つの答えでしかありません。
- そのまま真似するも良し
- 要素を抜き出して参考にするも良し
- 反面教師にして参考にしないと決めるも良し
このページを見ているあなたは評論家になりたいのか、それとも「簡単で楽しく続けられる洗車」が出来るようになりたいのか、または別の道を行くのか、それを決めるのもあなた自身の考え方ひとつです。
究極を求める精神性について思うこと
血液型A型のせいか、神経質な性格でそれなりに凝り性なのが僕です。
高校生の時には計算速度(指の反射神経)に恵まれず二段までしか上がれませんでしたが、応用計算(文章問題)では問題を読まなくてもぱっと見の印象からなるべく計算を簡略化できる計算式を一瞬で導き出すという、問題のパターン化を追求したのが僕です。おかげで計算速度は二段レベルと大したことはありませんでしたが応用計算(文章問題)の点数だけは六段の点数を取っていました。
多分ほとんどの人は珠算のことを知らないと思うので簡単に説明しますが、珠算一級の上がありましてそれが準初段、初段、準二段、二段、準三段、三段、四段、五段と上がっていき最高位十段まであります。ちなみに準初段は一級の問題を制限時間内に2回解けます。もちろん全問正解の上で、です。
でも上には上がいて、十段を持っていてもレギュラーにすらなれない学校が出場してくるのが全国大会です。そこに出場して思ったのは、火縄銃vsマシンガンのような「どう転んでも絶対に勝てない」ということでした。
僕には才能が無かったので、ただ全国大会に出場できたという程度の結果しか出せませんでした。
そんな僕が思うに、洗車に究極を求める方には2種類います。
- 真に究極を求める研究者探求者のような人(尊敬します)
- 「常にベストを求めるしか出来ない病」に罹っている人
「常にベストを求める」というのは聞こえはいいですが、他に何を目的にしていいのか分からなくなってしまっていて、何かよく分からないけど後に引くに引けなくなってベストを求めているだけの人。
その道はほとんどの人が挫折する修羅の道です。
何か目に見えない使命感のようなものに突き動かされている感覚がある人、もしくは楽しいと思えるところがあるのであれば、水を差す野暮を言うつもりはありませんがあまりオススメも出来ません。
ノイローゼのようになってしまったら、面白くないですよ。
僕のような凡人が目指していいようなことではないと、僕自身わきまえています。
試行錯誤を容易にする、美観維持へとつなげる洗車の指針(とその優先順位)
ただやみくもな丁寧さで洗車することほど、徒労に終わることはありません。
結果につながることに大きく労力を割き、あまり結果の伴わないことはバサッと切り捨てるという選択肢も視野に入れることが重要です。
実際に洗車するのは「面倒くさいという感情を持つ人間」だからです。
とはいえ、いきなり明確な答えを持てというのも無理な話しです。
僕でさえも膨大な試行錯誤の上に成り立っています。
その試行錯誤を容易にする、僕の試行錯誤をなぞることが出来る、美観維持へとつながる洗車の指針(優先順位)を作りました。それが、、、
- 汚れを落とし切ること
- 染みを一切付けないこと
- 余計なキズを増やさないこと
この指針と優先順位が揺らぐことはありません。
どのようなケミカル剤、どのような洗車方法を採用する上でも、美観維持を目的とするのであればこの3つの要素と優先順位は変わらないと僕は断言します。
ちょっとキツイことを言うようで申し訳ないのですが、、、
キズが付かないように気を配った上で汚れはちゃんと落としているつもりです。だけど最近染みが取れなくて気になっています。
こんなことをおっしゃる方がいます。
さきほどの3つの要素と優先順位に照らし合わせると、「染みを一切付けないこと」の方が「余計なキズを増やさないこと」よりも上位にあります。
つまりまずは「染みを一切付けないこと」を実践した上で、より高いレベルを求めるなら「余計なキズを増やさないこと」を意識してくださいということです。
染みが付いていることを考えると、そもそも汚れを落とし切れていない可能性が高いです。
こういう汚れもしっかり落とせている自信はありますか?
ぱっと見がキレイというのは、永く美観維持をしていく上では何の当てにもなりません。
先ほどの話し、僕にしてみると、、、
シャンプーで汚れを落とし切っていない状態でトリートメントしているような感じ。
に聞こえてきます。
汚れを落とし切ること、染みを一切付けないことは、美観維持を求める上で基本中の基本です。
さきほどの話しがいかに頓珍漢かが分かって頂けますでしょうか。
気分を害する言い方であったら大変申し訳ございません。だけど事実なんです。
「余計なキズを増やさないこと」の優先順位が3番目なのは理由があります。
それは洗車キズ程度のキズであれば、軽い研磨でどうとでもなるからです。
しかし、染みは研磨でさえもどうにもならないほどに塗装を深くえぐってくる場合があります。そして取り切れるかどうかはやってみないと分からないんです。
だからキズを恐れる前にまずは染みを恐れてください。
染みにしない洗車が出来て初めて余計なキズを増やさない洗車が活きると僕は思います。
こうしたことを踏まえた、僕が考える洗車における美観維持の三箇条です。
僕はバケツ一杯の水洗い洗車とマイティ3での施工を組み合わせて洗車していますので、それをもとに僕には何が見えているか解説していきます。
汚れ、染み、キズの定義
人間の歯で例えれば、汚れは歯垢、染みは歯石、それらを放置して塗装にダメージがいくというのは虫歯になる過程と似ています。
そして余計なキズが増える原因は「砂ぼこりが付いている状態で強く擦ること」です。
余談ですが、、、スポンジやタオルはチカラを掛けて使うものではなく、歯ブラシのように毛先で掻き出すがごとく、弾力の範囲内のストロークで使うものだと考えています。
目の前でその症状が起きているクルマをお見せしながらお話し出来ればいいんですが、それはなかなか難しいことでもあります。出来る限り分かりやすくなるよう、このブログ記事では汚れ、染み、キズがどういったものか定義します。
汚れの定義
汚れとは、塗装とワックス・コーティング以外の異物を指します。さらに言えば、バケツ一杯の水洗い洗車やマイティ3での施工で落とせたものを汚れと呼びます。
塩化カルシウム(融雪剤)、花粉黄砂、樹液、鳥のフンなどが非常に質の悪い汚れの代表格です。(固着すると取れにくく、すぐ染みに進行するからです)
さきほどご紹介した通り、わずかに濡れているときにだけ確認できる汚れというのもあります。汚れは塗装にとって異物ですから、ほっといていいことは一つもありません。
染みの定義
染みとは、バケツ一杯の水洗い洗車やマイティ3での施工で落とせなかったものを染みと呼びます。ひどくなると汚れが塗装へのダメージにまで進行し、塗装を陥没させます。
ここまでいかなくても、、、
ドアミラーやドアノブから黒い筋が垂れていたり、
すぐに対処しなかったために塗装がダメージを負ってしまった鳥のフンの跡、
指で擦っても、シャンプー洗車をしても、一向に取れない水滴状の染み。
原因も症状も様々、色々な染みがあります。
キズの定義
キズとは、ぶつけて付いたキズというよりは洗車で付けてしまいがちな、クモの糸のような細かいキズのことを指します。
キズのように見える汚れというのもあります。汚れなのかキズなのかの判断はマイティ3を掛けて落とせるかどうかで判断します。つまり結果論ということです。
環境によっては見えたり見えなかったり、ぱっと見の印象って実はあまり当てになりません
光が当たっている当たっていない、明るい暗い、そうした環境によって汚れも染みもキズも見えにくくなる場合があります。
汚れが落ち切ったかどうか、ちゃんと確認していますか?
- シャンプー洗車したから落ちているはず
- スポンジをしっかり当てたから落とせているはず
そんな風に確認もせず思い込んでいませんか?
意外とぱっと見がキレイでも汚れは落ち切っていない場合があります。
- そんな細かいところまで追及していませんよ。
- その程度のこと大した影響はないでしょ?
と軽く扱っていると、、、
あとあともっと面倒くさい症状として確実に降りかかってきます。そしていずれ、、、
このクルマも古くなったし、こんなもんだよね。
といういい訳に落ち着いてしまうんです。
それでいいのなら僕は何も言いませんが、ちょっとしたコツ、ちょっとした手間がこの問題を解決できるとしたらどう思いますか。
こうならないように気を付けたいのに、
そもそも何に気を付けたらいいのか分からない。
というのが問題だと思います。
この先読み進めていくとそれがだんだんと分かってくると思います。
色々なことがたくさん書いてあり、難しく感じるかもしれません。文章と写真で説明しようとするとどうしても分量が多くなるのでそう感じるだけだと思います。
実際にやっていることは「たったそれだけのこと」と切り捨てたくなるような些細なことの積み上げでしかありません。
「今日初めて洗車します」という主婦の方でも、教えればその場で出来るようになっています。
あなたに出来ない理由はないです。
分からない部分があればご連絡ください。
齊藤〇美装における洗車の全工程
YOUTUBE動画でお見せしている以外のところで、
別のケミカル剤も使っているんでしょ?
なんて言われることもあります。ですが、、、
水とマイティ3以外のケミカル剤を塗装面に使用していません。
これが事実です。(2020年3月までに出した動画において)
動画で撮影したときだけの話しではなく、動画にしていない時でも同じです。
僕が販売している道具は僕が使っている道具そのものです。
皆さんと何も変わらない条件のもと、それだけの道具でかなりの広範囲の症状に対応しています。
僕が採用している洗車の工程は非常にシンプルです。
- バケツ一杯の水洗い洗車(場合によっては1~3回程度行う)
- マイティ3での施工
たったこれだけです。
は?そんな訳ないでしょ?
なんてことを言われたりもします。プロの人からもたまに言われますが、ちゃんと理由があってこうしています。
- いちいち脱脂しません。
- 鉄粉除去を目的にした工程(粘土での除去など)はやりません。
- コンパウンドを当てて塗装を研磨することもしません。
- というか僕はポリッシャーすら持ってません。
僕が求める「簡単で楽しく続けられる洗車」を追求する上では、切り捨てた部分です。
切り捨てるにあたって様々な葛藤はありましたが、出張洗車の仕事で立ちはだかった制限という名のインスピレーションから大きな影響を受けてきました。
- 水道設備がないマンションの地下駐車場や月極め駐車場での洗車
- 水道設備があったとしても使えないアパートなどの駐車場での洗車
- 水を一滴もこぼしてはいけないショールーム内での洗車
- 水を掛けないで洗車して欲しいという旧車の洗車
- 朝から晩まで一日中陽が当たっている場所
- 照明があまりない薄暗い場所
- 車の移動は出来ない
- お客さんのクルマの近くに、自分のクルマを横付けできない
- 真夏の炎天下で洗車してもいつもと変わらない仕上がり
- 使える水の量は、手で持ち運びできるバケツ一杯のみ(約4リットル)
- 排水溝がない、あっても泡だらけにしたら怒られます
- 真夏の断水時でも気兼ねなく洗車可能
- 100V電源がない
- 使える電源はシガーソケットのみ
- 騒音厳禁
- あまりに臭いの強い物や火気厳禁のケミカル剤は使えない
- 周りのクルマを絶対に汚してはならない
- 持ち込みできる道具はスーパーの籠に入る程度の量
- 持ち込める電動工具はハンディ掃除機のみ(スクーターのシート下に収納)
- ケミカル剤を多く持ちたくない
こうした制限がある上で洗車しようと思ったら、みなさんならどういう答えを出しますか?
「簡単で楽しく続けられる洗車」は僕なりに出した答えです。絶対的なものではないので、鉄粉除去も研磨もやりたい人は上手に取り入れて下さい。
バケツ一杯の水洗い洗車における各優先順位の塩梅
さきほど例として挙げてしまいましたが、
- そもそも水洗いの目的は何なのか?
- 水洗いにおいてどの程度の仕上がりレベルを目標にするのか?
- その仕上がりレベルを次の工程に求めたら何か支障はあるのか?またどちらの方がより早いか楽か?
- 仕上がりレベルに到達したとどのように確認し判断するのか?
- 対処しきれないと受け入れざる(諦めざる)を得ない症状は何か?
これら問いかけを一つ一つ紐解き、
- 汚れを落とし切ること
- 染みを一切付けないこと
- 余計なキズを増やさないこと
試行錯誤を容易にする、僕の試行錯誤をなぞることが出来る、美観維持へとつながる洗車の指針(優先順位)を実際の洗車においてどういう風に線引きしているのか、解説していきます。
そもそも水洗いの目的は何なのか?
マイティ3がすでに掛かっているのであれば、非常にツルツルと滑るその保護膜効果を活用して汚れを落とすことです。
水というケミカル剤は非常に優秀です。固着する前であればシャンプーを使わなくてもバケツ一杯の水洗い洗車でスルっと落ちます。(ホースで水を掛けたくらいではさすがに落ちませんが)
水洗いにおいてどの程度の仕上がりレベルを目標にするのか?
最低限の目標は砂ぼこりの除去です。次の工程であるマイティ3での施工の時に余計なキズを増やさないようにするためです。
理想を言えば水洗いで「汚れを落とし切ること」ですが、無理は禁物です。もしバケツ一杯の水洗いを一度しただけでは汚れが取り切れない場合は、同じことをもう一度行います。やり方は変えずに回数で攻めて下さい。余計なキズを増やす最大の原因は「砂ぼこりが乗っている状態で強く擦ること」です。強く擦ってしまうと水洗いという工程の意義が揺らいでしまいます。
バケツ一杯の水洗い洗車は、水滴が乾く前に拭き取れる範囲しか濡らしません。その特徴に加えて次の工程であるマイティ3での施工で毎回確実に水滴跡を落とすので「染みを一切付けないこと」に繋がります。
これはシャンプー洗車を取り入れている場合でも、染みになりやすいガラスコーティング車も同じことが言えます。水滴跡の除去を怠るから染みになるんです。
その仕上がりレベルを次の工程に求めたら何か支障はあるのか?またどちらの方がより早いか楽か?
仕方なしに次の工程であるマイティ3での施工にまわす場合があります。
- タオルの毛羽
- 固着した汚れ
- 乾いてしまった水滴跡
ファイバークロスよりも綿タオルで水洗いすると出やすいのですが、いくら頑張ったところで水洗いの時点で毛羽をすべて取り除くのは無理です。ですが、次の工程であるマイティ3での施工では意識しなくても全て取り除けます。水洗いの時点では気にせず放置してください。
固着した汚れがある場合、水洗いの回数を増やして対応するか、写真のような鳥のフンの場合はゆるく絞ったタオルを置いてふやかします。それでも取り切れない場合はマイティ3での施工に委ねます。水洗いで対処すべきか、マイティ3での施工で対処すべきかは、水洗いしたときに固着した汚れがどう変化しているかで判断します。(鳥のフンは砂が混じっているので最低限その砂は取り除きます)
https://youtu.be/7ytCd_pp9W8
乾いてしまった水滴跡がある場合、あまりに面積が広い場合は再度水洗いし対処します。
わずかに水滴跡が出来てしまった程度であれば、次の工程であるマイティ3での施工にまわします。
その辺は、オーナーさんが求めている仕上がりレベルやその時の気分で塩梅を調整しています。
基本的には水洗いで対応したいと考えるのは、水洗いとマイティ3での施工の役割を明確にしたいこと、マイティ3での施工の手間と消費量を出来る限り減らしたいからです。
ただし唯一どんなに頑固であってもマイティ3での施工にまわさないようにしている汚れがあります。
それは融雪剤(塩化カルシウム)の汚れです。
水洗いでしっかり落とし切らないと、マイティ3と反応して白っぽい仕上がりになってしまう場合があります。(そうならないようにするためには消費量がかなり多くなる。)
ですが何度水洗いをやっても取り切れない場合、水洗いで擦るくらいならマイティ3での施工に仕方なくまわす判断をします。
仕上がりレベルに到達したとどのように確認し判断するのか?
目視による確認を行います。
僕の場合、ろくに施工面も見ずにサッサと施工してしまうことはありません。必ず施工面を注視しています。
ゆるく絞ったタオルで撫でた時の水の弾き具合(汚れているとキレイな水弾きをしない)や塗装の色味具合を見て、汚れが残っていないかを確認しています。
慣れてくると確認のためだけにいちいち手を止めずにそれなりのスピードで施工できるようになります。というのも施工中に視点を動かしながらの確認が無意識に出来るようになるからです。
汚れが酷いとタオルと汚れの摩擦音とその摩擦感が手に伝わるので、その感覚があるときは汚れの取り残しがないか特に注意します。
あと汚れは一度濡れると目立ちにくくなる傾向があるので(雨に濡れるとクルマがキレイに見えるのと同じ現象)、水滴を拭き取って数分後くらいに再確認した方が無難です。
また2週間以内での洗車を継続し毎回汚れを取り切りマイティ3を掛けているのであれば、タオルで撫でた部分の汚れはほぼ落とし切れていると判断してしまって差し支えありません。(効率的な洗車には欠かせない要素です)
対処しきれないと受け入れざる(諦めざる)を得ない症状は何か?
バケツ一杯の水洗い洗車だけで対応しようとするのは無理として、深追いしないようにしている症状です。つまり次の工程であるマイティ3での施工にまわす症状です。
- 染み(ウォータースポット、イオンデポジット、水あか、雨染み、ウロコ等)
- キズのように見える汚れ
- 指の入らない細かい部分の汚れ
- 水の弾きが非常に弱い場合の水滴を拭き取り切ること
- 濡れている時だけ見える「何か」の汚れ
- 最高の条件が揃っていた場合であっても、超微量の水滴が残ること
染みや水あかは、バケツ一杯の水洗い洗車の工程では取れないものとして諦めます。次の工程であるマイティ3での施工に任せます。
キズのように見える汚れがある場合、シャンプーを使ってもまず落ちません。汚れなのか、本当はキズなのか、判断し切れないのでマイティ3での施工で対処すべきです。キズのように見える汚れだったという判断はマイティ3での施工後に判明する結果論です。
指の入らない細かい部分に汚れがある場合、バケツ一杯の水洗いであっても取り除き切ることは出来ません。無理にタオルを突っ込んで施工しようとすると余計なチカラを掛けがちで余計なキズを増やしかねません。なのでマイティ3での施工時に対処します。
はじめての施工等で水を弾かない場合は、どんなに丁寧に拭き取りをしても水分を吸い取り切れません。水分が乾いて出来てしまう跡の除去は、次の工程であるマイティ3での施工に任せます。
水でわずかに濡れているときにだけこの「何か」が見える時があります。これもどんなに一生懸命水洗いしても取れません。(油質の汚れか?)なのでマイティ3での施工にまわします。乾いている時には目に見えなくても、汚れているものとして扱います。
どんなに良い条件を揃えたところで、水滴を100%吸い取り切ることは不可能です。(吸い取り損ねた超微量の水滴が一瞬で乾くので)それは真っ黒いクルマにおいてわずかに分かる程度ですが、超うっすらとですが水滴痕が付きます。もしその粗が見えるほどの慧眼をお持ちの方は気になってしょうがないかもしれませんが、それを取り除くのは次の工程であるマイティ3での施工にまわしてください。ちなみにわずかな粗と思うかもしれませんが、積み重なると馬鹿に出来ないレベルでのちのち美観に影響を与えてきます。
軽いまとめと、余計なキズを増やさないためのコツについて
汚れを落とし切ること、染みに一切しないこと、それはバケツ一杯の水洗いだけでカバーしきれるものではありませんが、マイティ3を掛ける上での下準備としての役割を担ってもらっています。
そしてその時に余計なキズを増やさないようにする上で一番影響するのは、洗車をする人間のスキルと意識です。
それは余計なキズを増やす一番の原因が「砂ぼこりが付いている状態で強く擦ること」だからです。次に擦る回数をいかにして減らすかということを考えています。
そのために僕がやっている工夫とは、、、
- 荒拭きと仕上げ拭きでタオルを2枚用意する
- タオルは端を揃えてキレイに畳む
- 荒拭きに使うタオルはなるべく水を含ませて使う
- タオルの上に手を置かない
- 仕上げ拭きに使うタオルはしっかり水を切り、タオルを畳む際に空気を入れてフカフカにする
- タオルのフカフカ感を常に維持する
- ドアなどの垂直部分は親指と人差し指で挟んで使う
- 汚れてきたら面倒くさがらずタオルをすすぐ(なるべく手返しを多くする)
- バケツの底にただよう砂ぼこりをタオルに移さないようにする(ガシャガシャとかき混ぜないようにする)
- 水滴を一度でキレイに吸い取り切る(擦る回数を減らす)には、タオルが汚れた水滴を吸い込むスピードとタオルを動かすスピードを合わせる
- タオルに余計なチカラが入らないよう、体ごと動かす重心移動に合わせて、なるべく体感に近い関節のみを動かすことで、塗装面を撫でるように施工する(腰痛持ち必須のテクニックです)
- タオルに柔軟剤を使用して洗濯しないようにする
- タオルを乾かしてパリパリにしてしまわないように保管する(特に綿タオルの場合)
余計なキズを増やさないためにやっている工夫が分かりやすいように、YOUTUBE動画ではタオルの端をつまんで撫でるというやり方をしています。
僕が何を言いたいのか分かって頂ければ、ぱっと見ではタオルの上に手を置いているように見えるこのやり方も、実は手を浮かして撫でているんだとご理解頂けると思います。そしてこのやり方をマスターするとドアやフェンダーやバンパーなどの垂直部分やドアノブなどの細かい部分も撫でる施工が出来るようになるわけです。
高価なファイバークロスやムートンを使用しているにもかかわらず許せないほどのキズが付いてしまうんです。
という方は「タオルの上に手を置いていないか」という所から見直してください。欲を言えば重力すら掛けたくないんです。
僕の言う「余計なキズを増やさないこと」というのは、そういうレベルの話しです。
何を使うかも大事ですが、どう使うかも大事です。
マイティ3での施工における各優先順位の塩梅
マイティ3での施工もさきほどのバケツ一杯の水洗いと同様、
- そもそもマイティ3の目的は何なのか?
- マイティ3においてどの程度の仕上がりレベルを目標にするのか?
- その仕上がりレベルを次の工程に求めたら何か支障はあるのか?またどちらの方がより早いか楽か?
- 仕上がりレベルに到達したとどのように確認し判断するのか?
- 対処しきれないと受け入れざる(諦めざる)を得ない症状は何か?
これら問いかけを一つ一つ紐解き、
- 汚れを落とし切ること
- 染みを一切付けないこと
- 余計なキズを増やさないこと
試行錯誤を容易にする、僕の試行錯誤をなぞることが出来る、美観維持へとつながる洗車の指針(優先順位)を実際の洗車においてどういう風に線引きしているのか、解説していきます。
そもそもマイティ3での施工の目的は何なのか?
一番最初に目指すべきは、汚れを落とし切ることです。
それは同時に、染みを一切付けないことにもつながります。(水洗いのデメリットを打ち消す)
美観維持の上ではこれらが最重要課題です。
そのついでにツヤ、滑り、水弾き、キズ隠し、塗装の保護、という役割があります。このあたりはケミカル剤選びの上では好みで選べばいいと思います。洗車方法との組み合わせによっては汚れの落ち具合をどの程度求めるかというのが変わってくると思います。
マイティ3はケミカル剤に求められるそうした能力や施工効率を全てこれ一つで得られるように、バランスよくしてあります。
商品名の由来がオールマイティというのはそういうことです。
マイティ3での施工においてどの程度の仕上がりレベルを目標にするのか?
何を求めて施工するのか、それによって目標とする仕上がりレベルが変わります。
長く美観維持を求める上では、
- 水洗いで取り損ねた水滴跡の除去(ライト仕上げまたはフル仕上げ)
- 固着した汚れの除去(フル仕上げ)
の2つが絶対条件ですが、より高い仕上がりを求めるなら「キズを隠す(フル仕上げ)」となります。
つまり洗車を水洗いのみで済ませるということは、長期間美観を維持する上ではやってはいけないこととなります。これは硬化型コーティング(ガラスコーティング)であっても同じことです。(純水洗車は例外です)
水滴跡や固着した汚れを取るのと同時に行っていることがあります。それは撥水の保護膜を補充していることです。水洗いによって汚れが落とし切れており、水滴跡がほとんどない状態であれば、ライト仕上げで保護膜は補充出来ます。
人間が作業していることなので水滴の拭き取り忘れはどうしても起こります。
また水洗いをどんなに上手に行ったとしても吸い取り損ねた超微量の水滴が一瞬で乾くことで目に見えるか見えないかレベルの水滴痕が付きます。
それらは付いてしまったその時であれば非常に簡単に落とせます。
少し丁寧なライト仕上げ程度で取れてしまうくらいです。
https://youtu.be/gV97co6DQmQ
もう一つは固着した汚れの除去です。
放置すれば染みへと進行してしまうので見つけ次第、除去していきます。
固着の程度にもよりますが、基本的にはライト仕上げでは取れません。
フル仕上げで取り除いてください。
水滴跡と固着した汚れの除去、この2つをしっかりやるだけで染みは一切付きません。
https://youtu.be/03SS4zLGJw8
このコツを掴めば、真夏の炎天下での洗車でさえも全く怖くありません。
いつも通りの仕上がりを出せます。(それよりも人間の体調管理を気を付けて下さい。)
実は、固着した汚れ(または染み)を取り除くというのが一番手間を食います。(消費量も増えます)
僕は「ふぅ~大変だったなぁ」という苦労は初回一度きりしか我慢できません。
こんな性格だから「次回の洗車を楽にするため」に今回洗車しているのであり、それに沿った仕上がりレベルを求めています。
今回美観が引き出せればそれで良し、ではないんです。次回も同じ苦労をするとなれば、それを思い出しただけで重い腰がさらに重くなります。
固着した汚れが付く間もなく洗車していれば、水洗いで多少水滴を拭き取り忘れたところがあっても、ライト仕上げだけでも簡単に維持できます。これは洗車を楽にする上で結構大事な考え方です。
キズを隠すことについては、TPOで使い分けてください。
例えば、目立つ部分(ボンネット等)だけフル仕上げでキズを隠す。ドアは次に洗車したときにフル仕上げするとして今回はライト仕上げで済ませる、という風に。
当然、全てをフル仕上げしても構いません。
https://youtu.be/kQC-rDPyFyQ
これらを踏まえて僕が考える理想はこんな感じです。
きっちり汚れを落としてあって汚れが簡単に落ちるうちに洗車をし続けていくことは、水洗いだけで汚れが落ちますのでマイティ3の施工がここまで楽になります。
ちなみにこの動画に出てくるデミオは2週間に1回の洗車をしています。
マイティ3はムラになりにくい、油っぽくギラつきにくい、粉っぽくなりにくい、という特徴があるので簡単に均一に仕上げやすい訳ですが、その仕上がりをどこまで追及するかは施工者の気分次第だと思います。(といってもトヨタの202ブラックや212ブラックでさえもすごく簡単に仕上がっちゃいますが)
僕の理想は、このYOUTUBE動画のような手間しか掛からない状態を維持することです。これがズボラな僕でも継続できている理由です。
その仕上がりレベルを次の工程に求めたら何か支障はあるのか?またどちらの方がより早いか楽か?
マイティ3での施工をしてみたけど、手間を喰うばかりで上手く仕上がらない。
こんな不満を持つ方がいらっしゃいます。(商品レビューで見かけます。)
ちなみにこの症状に対応するには、
- マイティ3付属の黄色いスポンジ(ワコー株式会社CW-01)に持ち替え
- 手のひら一個分程度に施工範囲を狭める
- たてよこ円とスポンジを描くのをより念入りにしてみる
- マイティ3の量を多くする
- 塗ったら即拭き取ってみる
- 少しずつスポンジにチカラを掛けて施工してみる
という風に施工の仕方を変えてみます。
バケツ一杯の水洗いではやり方は変えずに回数で攻めるとお伝えしましたが、マイティ3での施工はやり方を変えて攻めていきます。(回数で攻めるのも良し)
これでどうにもならないのであれば、相当状態が悪いです。マイティ3でどうにかできる範囲を超えています。やってみれば分かりますが、その状態では他のケミカル剤を使っても上手くいかないと思います。
ちなみにマイティ3での施工の次の工程というのは、僕は設けていません。
もし次の工程を求めるとしたらポリッシャーで研磨するということになります。
ぼくがオススメするのは、
とりあえずマイティ3で行けるところまでキレイにしてみて、その仕上がりを見てから判断してはどうですか?
ということです。
今ある道具で出来る限りのことをいろいろやってみるというのは、テクニックを磨く上で非常に良い機会です。ああでもないこうでもないと楽しんで取り組んでみて下さい。
よく分からなくなっちゃったのであればお問い合わせください。アドバイスします。
研磨は揃えなければならない道具の種類も多く、塗装との相性もあります。結構お金も掛かります。自分のクルマ一台だけを施工するのにそうした道具を買う位なら、研磨に関してはプロに任せてしまうのも良いと思います。(僕は研磨をやりませんので僕に依頼しないでください。)
仕上がりレベルに到達したとどのように確認し判断するのか?
水洗いの時と同様、施工時に塗装面の変化を注視しています。
施工し終わってから色々な角度から確認するのも大事ですが、施工中にどのように変化しているのかよく見るというのも非常に大事です。
僕のYOUTUBE動画を見て頂くと分かると思いますが、どの動画でも施工中は施工面を注視しています。よそ見したり目をつぶったりして闇雲に施工しているわけではありません。(当たり前の話しではありますが)
そうしないとどのくらい塗り込めばいいのか分からないからです。
黒い塗装に付いた染みを取るのに、どのくらい塗り込めばいいですか?
たまにこうした質問をもらうことがあるんですが、非常に答えに困る質問なんです。
仮に現物が目の前にあったとしても、施工する前にどの程度塗り込んだらキレイになるかなんて分かる訳が無いんです。
基本的には、施工しながら確認しながらどこまで美観が引き出せるのかという試行錯誤を毎回の洗車でしています。結果として、その時の状態に応じた「どの程度塗り込んだらキレイになった」かが分かるだけです。
その目安を知るために、最初に手のひら4つ分の面積をパチンコ玉の半分程度の量で施工して感触を確認しているんです。
- 満遍なくたてよこ円と塗り込む
- 汚れや染みなどが除去できた、もしくは変化が乏しくなった
僕の場合はこれらを以て、その状態なりの美観は引き出せたと判断します。
YOUTUBEでお見せしている動画は、その時目の当たりにしたこの問いかけのいち事例です。塗装や硬化型コーティングのダメージがそれなりに進行し症状が重くなればなるほど一筋縄ではいかないときもあります。
ですがその状態なりのキレイさに仕上げることは必ずできます。
動画を参考に試行錯誤の足しにしてください。
そして困ったらご連絡ください。それが一番の近道です。レビューに不満を書いても僕は直接助けてあげることは出来ません。今後の参考にさせてもらうだけです。
上手くいく場合も、上手くいかない場合も、なるべくしてそうなっています。
そして上手くいかない場合、間違いなく塗装の状態が悪くなっていることが原因です。(施工前の見た目は当てになりません)
- 継続的な洗車をサボってきた
- 新車のときにガラスコーティング等をしたから、適当な水洗いもしくは洗車しなくても大丈夫だと考えていた
- 間違った洗車をして染みを付けた
このような心当たりはありませんか?
なんか変なことは何もしてませんよ。
この手の話しの中でこういう答えが返ってくると、状態は推して知るべし。
サボったり間違ったツケをケミカル剤の性能だけに求めて、上手くいかなければケミカル剤のせいにしていては、いつまで経っても望む結果は手に入りません。
望む結果を手に入れたいのではなく、評論家になりたい人なんだなと僕は判断します。
対処しきれないと受け入れざる(諦めざる)を得ない症状は何か?
マイティ3はかなり幅広い症状に対して、施工の仕方を少し変えるだけで対処できてしまう非常にオールマイティに使えるケミカル剤です。
ですが、どうにもならない症状もあります。
- 塗装のダメージにまで進行した染み
- 何かをぶつけてえぐれたキズ
- 深い洗車キズ
- 鉄粉(フル仕上げで多少は取れますが、完全に取り切れはしません)
つまり塗装の劣化や物理的なダメージを受けている状態はどうにもなりません。(見えにくくなる場合はありますが)
たまに勘違いされている方がいるのでハッキリ言いますが、
マイティ3はどんなに悪い状態であっても、塗るだけで新品になる魔法のケミカル剤ではありません。
塗装のダメージにまで進行した染み。(こんなになるまでほっといていまさら新品のような美観を取り戻したいなんて言わないでね。)
何かをぶつけてえぐれたキズ。(キズのように見える汚れであることも多く、抉れたキズはしょうがないとしても結構キレイに仕上がる場合も多いです。)
深い洗車キズ。(この例では同時に染みにもなっており、しかも粗が目立つ黒色です。この状態なりのキレイさにはなりますが、深いキズは隠し切れません。)
鉄粉は写真に写しにくいので写真がありません。肉眼ではマイティ3での施工のときにわずかにポツポツとなっているものが見える時があります。フル仕上げをしていくと僅かずつですが取れていきます。一度きっちりリセットしたいということであれば粘土で取り除いてください。スプレーで噴き掛けると紫色になるケミカル剤がありますが、塗装に刺さっている部分までは溶かし切れません。きっちり取り切ろうと思ったら今も昔も粘土が確実かと思います。
マイティ3を施工してもこんな風になっていたら、塗装の状態は相当悪いです。
こうした状態のものをマイティ3だけで新品のように仕上げようと思うことは、虫歯を歯磨きで治そうとする行為に等しいです。一度そうなっちゃったら方法を変えて対処すべきことだ、というのはご理解頂けるかと思います。
このように状態が悪い時のマイティ3の役割は、
とりあえずマイティ3で施工してみて、その仕上がりをみて次の一手を考える。
このように考えるのが自然であり建設的です。
その仕上がりで満足出来ればそれで良い訳ですし、不満があれば次の一手を考えれば良い訳です。
洗車を怠り塗装にダメージが入れば入るほど、仕上げるための労力は増え、引き出せる美観のレベルはどんどん低下します。
価値観の問題なのでダメというつもりはありませんが、、、
人間の都合で「気が向いた時だけ洗車する」という維持の仕方において、マイティ3を使えば新品みたいになるなんて思わないでください。
マイティ3に限らず、そんな魔法は存在しません。
引き出せる美観がどんどん低下していくことは間違いありません。
色々ご事情があって状態を悪くしてしまった、そして美観を取り戻そうとマイティ3を掛けても満足する仕上がりにならなかった。でも、、、
思い入れのあるクルマだし、どうにかしたい。
と考えるのであれば、次の一手として研磨をご検討ください。
お近くのプロショップに持ち込むことをオススメします。(僕は研磨の道具を持っていませんので受けられません)
マイティ3における余計なキズを増やさないためのコツ
余計なキズを増やさないようにするというのは、ケミカル剤選びも大事ですがそれよりも施工者のスキルや意識が大きく影響します。砂ぼこりなどの異物が取り除かれているうえで、出来るだけチカラを掛けずに出来るだけ柔らかいスポンジで出来る限り擦る回数を減らして施工することが余計なキズを増やさないことに繋がるからです。
でもその前に、汚れを落とし切ること、染みを一切付けないことが出来てから、です。より高みを求めるということで余計なキズを増やさないことを考えて下さい。
具体的にどのような工夫をしたらよいのか、詳しくは上記リンク先でご覧ください。
総括
洗車しているときに僕の目には何が見えているのか、それを通してケミカル剤と洗車方法を選ぶ際のとっかかりとなればと思ってお伝えしてきました。
結局2週間くらい掛かってしまいました。(もっとテーマを絞って簡潔に済ませた方がよかったかも)ものすごく時間はかかりましたが、ごちゃごちゃしていたものがまとめられて良かったです。
ツイッターでもつぶやいたこの三箇条を掲げることが出来たのは、この記事のおかげです。
記事を仕上げるのは大変でしたが、取り組んでよかったです。
- 目標とする仕上がりレベルをどこまで追求し引き上げられるか
- 同じ結果を出す上でどこまで手を抜けるか
- 絶対手を抜いてはいけないポイントは何か
この記事の途中でも触れました通り、様々な制限の中でそれでも最大の効率で最大の仕上がりを求めて、僕が疲れて嫌にならないように確立したのが「簡単で楽しく続けられる洗車」です。
このケミカル剤、この洗車方法において、追及してきたことと僕の目に見えていることをこの記事にある程度落とし込んだつもりです。
僕と同じやり方を採用しなかったとしても、美観維持を求めるなら目的は同じ、すべきことも同じです。
- 汚れを落とし切ること
- 染みを一切付けないこと
- 余計なキズを増やさないこと
洗車の理屈を理解し、洗車を楽しまれる方が増えればこの記事を書いた苦労も報われます。