コンパウンド等の研磨剤で削らずに真鍮(文鎮)を磨く
中学校の頃に図工の授業で作った、真鍮製のくじらの文鎮。
僕の思い出箱から引っ張り出しました。
というのも、本日、ホテルに招かれて真鍮製の手すりを磨くデモをやりました。
思いのほかキレイになったのでその技を披露したいと思います。
(ホテルでの写真は撮れなかったものですから)
角度を変えてみると、すごい汚れ。
25年前はぴかぴかに光ってましたが、表面が酸化して黒っぽい感じです。
この質感が好きで汚れだけ簡単に取りたい人は、P113。
研磨剤で削って鏡みたいな質感にしてしまうのではなく、あくまで自然なぴかぴか具合を目指したい人はピッチレスコート。
そんな感じで希望の仕上がりになるよう、使い分けて行きます。
ちなみにピッチレスコートによる保護膜効果で、
汚れにくく、酸化しにくくなります。
美観維持にもってこいです。
目次
黒ずんだ質感を残しつつ軽い汚れだけP113で取り除く
クルマの内装に付いた手あかを取るのに使っている、P113を使います。
綿タオル全体にシュッとひと噴きします。
軽く、サッサッサッと拭いていきます。
P113での仕上がり 施工前後比較
↓↓↓施工前↓↓↓
施工前はこんな感じです。
↓↓↓施工後↓↓↓
見た目には微妙な違いですが、
黒ずんだ質感を残しつつ、
簡単な汚れは取り、
手触りがサラサラになる
という仕上がりになりました。
ピッチレスコートを付けてポリエステル不織布で一部分を磨いていく
この文鎮のこの面を磨いていきます。
用意したのはポリエステル不織布。
研磨剤は入っていないものです。
僕の知り合いのTさんからもらいました。ありがとうございます。
スポンジでやるように、いつも通り、ポリエステル不織布にもピッチレスコートをひと振り。
人差し指一本で少しだけ力を掛けて磨きました。
といっても指が痛くなるような力の掛け方はしませんよ。
子供でも出来る程度の力加減ですからね。
こんな感じで取れた、真鍮の錆、緑青(ろくしょう)。
大仏さんに付いている緑と同じです。
このポリエステル不織布、水で濡れているじゃん。
本日の午前中にホテルの真鍮の手すりを磨くデモをやったときに、誤って濡らしちゃったんだった。
完全に僕の段取が悪いですね。
だけどこうしたトラブルも含めて、正直にそのまま載せます。
ちょっと施工がやりずらい。
最後にティッシュで拭いて、ご覧のような仕上がりに。
時間にして1分ほど。
それほど力を掛けず、ポリエステル不織布とピッチレスコートで25年ものの汚れがいとも簡単に取れてしまいました。
コンパウンド研磨剤で磨いたように鏡面仕上げにはなりません。
なぜなら、、、
ピッチレスコートにはコンパウンド研磨剤が一切入っていないからです。
ピッチレスコートを付けてポリエステル不織布で残りの部分を磨いていく
ポリエステル不織布の使っていない面に変えて、もうひと振り。
残りの部分を磨いていく。
ティッシュでポリエステル不織布の水分を吸い取ったけど、完全には取り切れず。
施工は出来るのでそのままやってしまいます。
手近に綿タオルが無かったので、ティッシュで拭く。
ピッチレスコートなしで、ポリエステル不織布だけで磨いてもこういう風に汚れは落ちません。
仕上がり
ピッチレスコートには研磨剤が入っていないから、鏡面にはなっていないのが分かりますね。
削らないから、素材そのままの質感を活かした仕上がりになります。
ちょっと意地悪なテストをします
仕上げた部分に手あか(鼻の油を追加)を付けてやります。
ちなみに触るとめっちゃツルツルして、保護膜が効いているのが分かります。
手あかが付きましたね。
ある意味、キレイにするだけならピッチレスコートでなくても出来ます。
どの業者さんでも素人でも、ホームセンターに売っている日曜品でも出来るはずです。
ピッチレスコートを使う最大の意義は、保護膜効果により美観維持のメンテナンスが簡単になるということです。
ホテルの手すりもそうでしたが、お客さんが触る部分だから手あかで非常に汚れます。
そしてそれを放っておくと手あかが酸化して取れなくなります。
それがカンタンになるよというのが僕のやりたい実験です。
「真鍮の美観維持は業者さん泣かせ」、これはベテランのビルメンテナンス業者さんから直接聞いた言葉です。
この仕上げた部分の手あかをしばらくの期間放置して、その後、どれだけ手あかが取れやすいかテストしてみたいと思います。