ピッチレスコートが「どのくらい持つのか?」の耐久性についての見解
最近、お客様から「ピッチレスコートってどのくらい持ちますか?」というお問い合わせを頂くことがよくあります。
よくよくお客様のお話しを聞いていると、、、
「一度施工すれば洗車しなくてもいつまでもピカピカ」
「コーティング至高、WAXは時代遅れ」
という完全なる誤解をしている人、
「一度施工すればどんなに汚れようともいつでもピカピカに戻せる」
という思い込みをみごとに打ち砕かれコーティングに強い不信感を抱いている人、
「コーティングは劣化しないもの」
という軽い誤解の人まで色々いらっしゃいます。
こうした誤解を解くのに大変苦労します。
なぜなら、、、
「すでにお金を払っているにもかかわらず期待する結果が得られないんですよ」と現実を突きつける訳ですから。
「そんな訳ない!」と否定したくなる気持ちも分かります。
だから、お客様が現在どのような知識や経験をお持ちなのかをある程度把握した上で上手にお話ししないと、お客様に不快な思いをさせたり、さらに余計な勘違いをさせてしまいます。
だから、ちゃんと文章にしようと思いました。
僕はお客様が持つ考えを論破することが目的ではありません。難しい理屈や他社の商品知識についてはお客様の方がよくご存じの場合もあるくらいです。
僕は小難しい理論を展開するつもりはありません。
難しい理論や言葉での説明があるほど、
「何だか効くような」「ありがたみがあるような」そんな気がしてきませんか?
それは大人の悪い癖です。
しかし、洗車についてご苦労されてきた方ほど「そう単純じゃないんだよ」と思うかもしれません。
だから複雑で難解な理屈や施工手順に崇高さや魅力を感じてしまうのではないでしょうか。
しかし、メーカーや販売側のいいようにそれを逆手に取られてはいませんでしょうか。
洗車用品の販売や洗車のやり方をお伝えしている中でお客様に一番言われるのが
「そんな簡単でいいの?」です。
理屈はシンプルです。
だからやり方もシンプルです。
この記事では、プロとしての洗車の経験と知識を踏まえた僕の個人的見解という視点で述べさせていただきます。販売している商品に多少ひいき目があるのかもしれませんが、基本的に嘘は言いません。
あと僕はディーラーや業者さんから仕事を受けていないので、しがらみがありません。
基本言いたい放題です。
(エンドユーザーさんが不愉快にならない程度には自重しているつもりです。)
僕は自分の経験を踏まえた上で考え至ったとてもシンプルな技術や知識を元に、洗車やコーティングと正しく付き合えるようにお客様のご事情に合うようにお手伝いしたいんです。
クルマは高価な買い物です。気に入らないからとおいそれと買い替えることは普通出来ません。
ですからコーティングから連想するイメージである「ぴかぴかキレイ」が少しでも長く持ってほしいとみなさんが気にする理由はよく分かります。
しかし、「どのくらい持ちますか?」というのは非常に答えにくい質問なんです。
それが何故か?ということもそうですが、僕がホームページ上では「どのくらい持つか?」という耐久性についてあまり触れてこなかったことには理由があります。
その質問に対して、、、
「普通のWAXよりは持ちますよ」
「雨などで濡れたり汚れたりしなければ1か月やそこらでどうにかなることはありませんよ」
という答えでご納得いただける方は、この先読まなくてもいいと思います。長いですし。
しかし、、、
- ピッチレスコート(クリーティングWAX)のメリットを骨の髄までしゃぶりつくしたい方、
- プロの経験に基づいた知識や見解をもっと深く知りたい方、
- 高耐久性のコーティングとどう違うのか、どう住み分けすればいいのか、
- 理屈をよく理解した上でないと体が動かない方、等々
そうした方は、少し長くはなりますが読み進めていけばきっと「あ~なるほど!」とご納得いただける答えが見つかるんじゃないかと思います。
それでも疑問が沸いたら、、、
一度お試しいただくか、
買って試すのが一番早いですよ。
お問い合わせも大歓迎です。
ただし、敵意むき出しのケンカ腰(そんな非常識な人はひと月に一人いるかいないかくらいですが。。。)で来られると僕も対応しきれませんので、楽しくお話ししましょう。
それではお付き合いください。
目次
- 1 耐久性って何?
- 2 耐久性について、どのような状態であれば「持っている」と判断するかは人によって大きく変わります
- 3 出張洗車という仕事で思い至った、耐久性へのこだわりについて
- 4 ピッチレスコートに限らずどんなコーティングも消耗品に過ぎない事実
- 5 耐久性について、例えていうのならば、、、
- 6 耐久性の高いコーティングの使いどころ、耐久性の低いコーティングの使いどころ
- 7 絶対にキズが付かないコーティングってあるんですか?
- 8 ピッチレスコートをサボったクルマの撥水性を取り戻してみた事例
- 9 ピッチレスコートではありませんが、他社のHPでの検証でも結局は似たような結論がでています。
- 10 結局、ピッチレスコートの耐久性は高いのか?低いのか?
耐久性って何?
『耐久性』というのは、クルマやオートバイを趣味にしている人にとってもそうじゃない人にとっても、日常会話に出てきてもおかしくない言葉として何気なく使っています。
「耐久性が良い」とか「耐久性が悪い」という使い方をします。
その意味と言えば、、、
正常に使える期間が長いという意味で「耐久性が良い」と表現するかと思います。
ただしそこに絶対的な基準はなく、相対的な基準で判断します。
類似商品を比較対象(例:当社比とか)にしたり、人によっては自分になじみのある物を比較対象にしたりと、様々です。
話しを戻しまして、クルマやオートバイの美観維持という観点で『耐久性』という言葉を考えてみると、、、
- ぱっと見キレイであれば持っているとする人、
- 触っても汚れが手に汚れが付かないことで持っているとする人、
- 洗車後の色ツヤで持っていると判断する人、
- 人からの評価で持っていると判断する人、
色々な基準があり人それぞれです。他にもその人独自の基準があるかもしれません。
そこに良い悪いの正解はありません。
そもそも美観維持の美観(美しい、ぴかぴか、キレイ等)とは何なのかというあいまいな基準に加え、維持されているということをどう定義するのか、人によって変わるはずです。もっと言えば時と場合によっても変わると思います。
そう考えると、、、
耐久性というものは、オンかオフかのように白黒はっきりさせるものではなく、テレビのボリュームのように人によっても環境によっても変わる、もっとアナログチックな基準ではないでしょうか。
この考え方を前提に話しを進めていきたいと思います。
耐久性について、どのような状態であれば「持っている」と判断するかは人によって大きく変わります
耐久性=美観維持ということを「持っている」とすると、個人の主観に大きく左右されますので、実は超あいまいな基準になります。
僕はこんな経験をしたことがあります。
クルマのオーナーであるご主人の家族から、僕が洗車の準備をしている様子を見て「キレイになったねぇ~」と声を掛けられました。
「いやいやいや、まだ水拭きすらやっていないし結構汚れているじゃないですか、、、」
と口には出しませんでしたがそう思ったことが何度もありました。
(単なる社交辞令、ご主人の趣味に対しての皮肉とも取れますが。。。)
そのお客様以外でも同じことがあったんで何らかのフィルターが掛かっていたと思われます。
つまり人の感覚はあいまいだということです。
洗車を仕事にしている僕の基準で「持っている」というのは、
- 水洗いでいかに簡単に汚れが落ちたか
- バケツ一杯の水洗い洗車で汚れを落とした時の撥水具合
で判断しています。
この写真はピッチレスコートがしっかり掛かっている状態でバケツ一杯の水洗い洗車をしたときの撥水している状態です。
水滴がベチャっとしてきたら、水滴は拭き取りにくくなり、そうなれば青空駐車のクルマはだいぶ汚れているはずです。(それでも一般的にはキレイと言われるかもしれませんが)
その具合も、季節やクルマの保管状況によって大きく変わります。
僕の家においてはご覧のように青空駐車ですし、
近所には風が吹けば砂ぼこりがたつ環境で一杯です。
洗車して次の日には砂ぼこりまみれということも珍しくないですが、
- 汚れた=耐久性がない、とする人がいるかもしれませんし、
- 水洗いだけでキレイになるからコーティングの耐久性はある、とする人がいると思いますし、
- 汚れてはいるけどクルマの置かれている環境や年数を考えればキレイじゃんと考える人もいると思います。(多少汚れていたとしても)
この状況下に限らず、耐久性という言葉が持つ意味はまさに千差万別です。
出張洗車という仕事で思い至った、耐久性へのこだわりについて
みなさんが驚くようなことを言うようで申し訳ないんですが、、、
実は、「ピッチレスコートがどのくらい持つのか?」ということを僕はそれほど重要視していません。
(商売上のいやらしい意味ではなく、自分が消費者の立場で美観維持を考えた場合ですらそう思います。)
(あと施工で手を抜いているという意味でもありません。逆に施工の丁寧さによって変わるピッチレスコートの持ちについては結構こだわっているつもりです。)
そんなことよりも、、、
「春のスギヒノキ花粉+黄砂」「潮風による塩害」「雪国の融雪剤」「鳥フン」「洗剤の残り」「水道水等に含まれるミネラル分」等による固着した汚れを2週間以上放置すると取れにくくなってくる事実の方が重要です。
ピッチレスコートだけでなく、高耐久性のコーティングであっても、です。
まだ全体的には水を弾いている状態ですら、部分的に汚れが固着したり染みになったりすることがあります。(ハードな汚れであればなおさら)
水拭きを2度3度やってやっと取れる汚れ、ピッチレスコートを使わないと取れない汚れ、なんていうのは何度も経験してきました。(もちろん取れない汚れ染みもあります)
劣化の進行具合はボディ色によって大きな違いはないとは思いますが、色の濃い車特に黒が一番目立ってしまいます。
僕は出張洗車という仕事を通して、様々なコーティングの施工後の様子を見る機会に恵まれてきました。
世の中には〇年耐久というような高耐久性を高らかに謳ったコーティングが流行っていますが、僕が出張洗車の仕事で得た見識はその流れとは全く別のものでした。
結論から言うと、
- 美観維持において手を掛けることに勝ることはない
- 汚れが気になって洗車したくなる期間以上の耐久性は不要
- 汚れがコーティングや塗装にダメージを与え始めるであろう期間以上の耐久性は不要
と考えるようになりました。
こう考えるようになったのも、〇年耐久というコーティングがその耐久年数を迎える前にキズだらけ染みだらけになっているさまを見てきたからです。
その原因を「オーナーのお手入れが悪い」と一人だけ悪者にする気にはとてもなれないです。
僕の知る限りでは、コーティング専用のメンテナンスキットをショップから渡されてもほとんどの人は使っていません。ピッチレスコートをご購入いただいたタイミングで僕に「あげます」と言って一度も封を開けていないメンテナンスキットを渡そうとしてくる人が非常に多いです。
何かがオカシイ、何かがズレている、そう感じました。
ハッキリ言って
コーティングの耐久性とクルマの美観維持はイコールではない
と確信しています。
耐久性が高いがゆえに、それを過信してしまい逆にクルマの美観維持を損ねる要因となってしまったり、取り返しが付かないことが起きる毒になりかねないとすら思っています。
ピッチレスコートに限らずどんなコーティングも消耗品に過ぎない事実
こんな風にコーティングを過信すれば痛い目を見ます。
そして取り返しが付かないことになります。
「春のスギヒノキ花粉+黄砂」「潮風による塩害」「雪国の融雪剤」「鳥フン」「洗剤の残り」「水道水等に含まれるミネラル分」等々
条件が揃えばいとも簡単にコーティングを侵食し、場合によっては塗装にまで到達します。(ピッチレスコートだけでなく高耐久性のコーティングですら)
違う言い方をすれば、、、
全体的にはコーティングがまだ効いているにもかかわらず、部分的には塗装が劣化することはあり得る
ということです。
また時間経過とともに少しずつコーティングの効果は弱くなっていきます。いつまでも効果を発揮し耐久してくれるコーティングはこの世に存在しません。
どのような『持ち』をコーティングに期待するのか?
- 一度施工した限りで長期間持たせたいのか、
- 定期的に手を掛けることも含めて長期間持たせたいのか、
これによっても取るべき選択肢が全く変わってきます。
高耐久性コーティング |
低耐久性コーティング またはWAX |
|
施工性 | 一発勝負 | 気に入らなければ何度でも |
剥離 | 大変 | 簡単 |
再施工性 | 大変 | 補充も入れ替えも可能 |
洗車キズの補修 | 研磨不可 | キズ隠しも研磨も可能 |
定着 | 半永久的 | 半年も持たない |
性質 | 無機質(の割合が多い) | 有機質 |
普段のメンテナンス | 水洗いのみ | 水洗い+塗り込み |
金額 | 高い | 安い |
僕が持っている、コーティングに対してのザックリとしたイメージです。
コーティングの耐久性についてあれこれ悩むのも、「クルマをぴかぴかキレイに保ちたい」という目的からだと思います。であるならば、コーティングが持たなくてもぴかぴかキレイであればそれでも良いという理屈も成り立ちます。めちゃくちゃなように感じるかもしれませんが、柔軟に考える上ではこのような考え方も結構大事だと思います。
高耐久性のコーティングは言わば「一度装備すると外せない呪われた使い捨ての盾」です。(分かりにくかったらスイマセン)
いくら高耐久性のコーティングとは言え、いくら丁寧に水洗い洗車したとしても道路を走っていることも含め何年かすればキズもそれなりに入ってきます。補修しようにも高額な再施工しか手がありません。
しかしいくら長期間持つと言われる高耐久性のコーティングですら、宣伝で言われている〇年耐久という耐用年数ほど美観が維持できない方がほとんどです。
(新車でコーティングしてもらったのに半年後には洗車では取れない染みが出来てしまったなんていうのはよく聞く話しです)
また高耐久性のコーティングは簡単には補修できないというデメリットを抱えています。
高耐久性のコーティングは塗装よりはるかに薄いはずですので、洗車キズや染みをコンパウンド等の研磨剤で消すなんてことは出来ません。(厳密にいえば出来ますが、コーティングも一緒に落とすことになります)
そして簡単には剥がすことも出来ませんし、再施工は高額となっています。(スゴイ手間が掛かる)
なのでクルマの美観を維持しようと思ったら「どのくらい持つか?」とコーティングにだけ求めていてはとても叶うものではありません。
洗車を定期的にされている方はそのことに気付いている方が多いです。
もしそれに気付かず、たくさんのケミカル剤を使用してきた経験値だけ積みあがり、今現在も「もっと良いケミカル剤がないものか?」とケミカル剤だけに原因を求めているとすれば、手に入れたいものが手に入らないのも当然だと思います。
それを良しとするなら僕は何も言いません。
少ない労力、簡単、短時間、疲れない、そんな洗車を目指しているならそんな洗車が今まで出来ていないと感じるならば、少なくとも今までの考え方の何か一つでもあらためるしかないと思います。
アインシュタインが言っていたことだったと思いますが、、、
『同じことを繰り返しながら違う結果を望むこと、それを狂気という。』
まさにこれだと思います。
結局、クルマをキレイに維持しようと思ったら「定期的な洗車で劣化要因を取り除く」「出来る限り洗車キズを付けないようにする」という、人間に大きく依存している課題ではないでしょうか。
コーティングは汚れもするし、傷付きもする。
いつまでも持つわけでもないし効果を発揮するものではない「消耗品」と捉えると、クルマの美観維持に迷いが出なくなります。
「人間がやるべきことをやらなければ美観維持は無理ですよ」ということです。
それを自分でやるのか、機械にやらせるのか、人にやらせるのか、の違いでしかありません。
愛車に染みを作らずぴかぴかを保とうと思ったら「コーティングがどれくらい持つか?」とギリギリの線を探るよりも、カンタンに汚れが落ちる内に早めに洗車するという答えに行き着きます。
それが労力的にも時間的にも一番簡単です。
そこで僕は「バケツ一杯の水洗い洗車術」を推奨します。
よっぽど時間がないと言うのなら、ガソリンスタンドで洗車機に掛ければいいと思います。(水滴の拭き取りはしっかりやってくださいね、、、それを考えるとバケツ一杯の水洗い洗車術とそう大差ないんですけどね)
そのあたりは人それぞれ目指すものが違うので、
- どんな方法で
- どのようなスパンで
- どこまでやるか
については気が済むようにしてください。
だから、、、
こんな風に聞かれても「はい、〇ヶ月持ちます」みたいな明確な答えが出来ないんです。
「〇ヶ月持ちます」ってハッキリ言えれば分かり易くていいんですけど、人によって基準があいまいで環境によっても大きく変わるので、僕はそんないい加減な言い方は出来ません。
お客様の状況がある程度把握できれば、僕の経験則を踏まえた第三者的なアドバイスが出来ますので、ご希望の方は一度ご相談ください。
巷にあふれる「〇ヶ月持つ」や「〇年保証」という宣伝文句を僕は一切鵜呑みにしないのもこういった理由からです。そういうのはちゃんと裏を深読みしないといけません。
そもそもどんなコーティングもいずれ機能しなくなる使い捨ての消耗品だと認識しましょう。
耐久性について、例えていうのならば、、、
エンジンオイルを例に言えば、、、
よく「5000kmを目安にオイル交換」と言われてますよね。
逆に「〇万キロ持ちます」的ないかがわしい宣伝って聞いたことありますか?
オイルを売っている会社のホームページからパンフレットまで色々見てもそんな風にどの会社も書いていないんです。
荷物を一杯積む、高速ばかり走る、アップダウンの激しい道ばかり走る、アイドリングに近い回転数で走り続ける、累積エンジン回転数・累積燃料消費量、さらにはオイル漏れ(オイル上がり下がり)まで想定したエンジンが壊れないための安全マージンを含んだ目安だと思いますから、誇大広告とならないよう「いついつまで持ちます」という言い方は絶対にしないのだと思います。
そう考えると「コーティングがいつまで持ちますか?」という質問の答えにくさが分かって頂けるかと思います。「〇ヶ月持ちます」「〇年保証」という宣伝文句が前面に出される理由もなんだか見えてくるような気がしませんか?
汚れているかどうかはクルマに近づいてみればある程度は分かる訳ですから、見て判断して下さい。
または洗車してみてバケツの中の水がどれだけ汚れていたかによって、
と判断して下さい。
花粉や黄砂、樹液、融雪剤(塩化カルシウム)といったキツイ汚れは、塗装やコーティングを相当傷める原因となりますので、そうした時は2週間に一回は洗車した方がいいんじゃないですかね。
また「クルマの燃費ってリッター何キロですか?」とざっくり聞かれたら「車種によっても、経路や乗り方によっても変わるから一概に言えない」と答えざるを得ないのとも同じですね。全く同じクルマ同じ人が乗ったとしても、条件によっては燃費が2倍変わることも不思議ではありません。
コーティングの持ちも同じことが言えるんじゃないでしょうか。
耐久性の高いコーティングの使いどころ、耐久性の低いコーティングの使いどころ
耐久性の高いコーティングの使いどころ
今までの文章から高耐久性のコーティングをディスっている(否定)ように聞こえたかもしれませんが、
- 研磨作業による下地作りとコーティング作業の手間暇を掛けた仕上がりは素晴らしい
- 手軽に扱える低耐久性のコーティングやWAXにはない高耐久性も素晴らしい
と思っています。
(長い目で見た場合に個人的には好きになれないというのが僕の本音ではあります。)
よって、、、
- 新車で買って車検が来る前にクルマを乗り換えてしまう、
- カンタンな水洗いだけで出来る限りの美観を維持したい
定期的に新しいクルマに乗り換える方にこそ高耐久性のコーティングがぴったりだと思います。
- 「洗車をあまりしないならコーティングした方がいいですよ!」とか
- 「青空駐車するなら良いコーティングしないとダメですよ!」とか
ディーラーやクルマ屋さんでこんな勧められ方を経験した人にとっては「???」と意味不明なことかもしれません。
高耐久性のコーティングは言わば「一度装備すると外せない呪われた使い捨ての盾」です。(分かりにくかったらスイマセン)
いくら高耐久性のコーティングとは言え、いくら丁寧に水洗い洗車したとしても道路を走っていることも含め何年かすればキズもそれなりに入ってきます。しかし補修しようにも高額な再施工しか手がありません。コンパウンド等の研磨剤で削ったらコーティングが削れますから出来ません。
買い替えで手離してしまえば、余計な心配をする必要がなく非常に気が楽です。
メリットを最大限享受して、デメリットを打ち消す運用をするならこれしかないんじゃないかと思っています。
定期的にクルマを乗り換えるのなら、そもそもコーティングなんかしないという手もありますが。(純正の塗装は想像以上に強いものです)
耐久性の低いコーティングの使いどころ
- 一台のクルマをいつまでも大事にしていきたい、
- 手を掛けること(洗車)自体が楽しい、
- 汚れたらその都度洗車したい、
そんな風にクルマと付き合っていきたい方にはコーティングの保護膜を補充したり入れ替えたりが容易に出来る低耐久性のコーティングや昔ながらのWAXがオススメです。
多分みなさんが考える、いつまでもぴかぴかでキレイな状態が維持されるというイメージに近いのはこちらのパターンであるように思います。
唯一のデメリットは「手間が掛かる」という点です。
洗車に楽しさを見出せる人にとってはデメリットにはなりませんが。
自分でやるのであれば、お金は思った以上に掛かりません。
そんな中でも、ピッチレスコートは純正塗装のバランスを崩さず補完するものとして使える点が僕は非常に気に入っています。
ただクルマをぴかぴかキレイにしていたいなら、どちらにしても定期的に洗車を行う必要がある点は同じです。
高耐久だから洗車しなくていい、もしくは洗車頻度を減らしてもいい、なんていうのは迷信です。
その先には「悪くなったらそれまでよ」という現実が待っています。
絶対にキズが付かないコーティングってあるんですか?
そんなコーティングはありません。
あったら僕に教えてほしいくらいです。
これと同じく、絶対にキズが入らない洗車方法もありません。
理屈で考えれば、、、どんなに柔らかいもので、どんなに力を抜いても、物理的にこすられれば目に見えなくともキズは入ります。
もっと極端に言えば、「風が吹けばキズが入る」とも考えられます。(砂ぼこりが舞いますので)
どうしてもキズが入ることに我慢できないのであれば、ショーケースに入れて保管するしかないと思います。
道路に出てクルマを運転する、その利便性を得ようとするのであれば多かれ少なかれキズが付くことは太陽が東からのぼるレベルの避けられない絶対条件です。
大事なことは、日常において愛車のオーナーであるお客様が気にするほどのキズになるかどうか、ではないでしょうか。
視力の良し悪し、キズを見極める目、キズに対しての意識の有無と程度。
この辺りも絡んできます。
キズが入ることは避けられないのであれば、お化粧と同じく
「どのように目立たなくするか」
これをどう行うかが重要ではないでしょうか。
そういう意味で僕はコーティングの保護膜を補充したり入れ替えが出来て、洗車キズを隠し、純正塗装の色ツヤ輝きを引き出してくれるピッチレスコートをおススメしています。
高耐久性のコーティングは、付いてしまった洗車キズの対処が出来ません。
高耐久性のコーティングの上にピッチレスコートを施工する場合においても、何の考えもなしにただ塗って拭けばいい訳ではなく、ちょっとしたテクニックが必要となる場合が多いように感じます。(今までの経験上、僕がライン@やメールや電話で教えていかないと上手くいかないということが多かったため)
ピッチレスコートをサボったクルマの撥水性を取り戻してみた事例
とはいえ、忙しくてついサボってしまうこともあるかと思います。
この動画を撮るために、完全青空駐車のクルマを約2ヶ月強一切洗車せずに置き実験したものです。
ボンネットはほぼ撥水性を失っていますが、以前にピッチレスコートをきっちり掛けていますのでこびり付いた汚れはありません。
この状態であれば水洗いをした後に「ライト仕上げ」というやり方で超簡単にコーティングの保護膜を補充するやり方が出来ます。
どれだけ簡単かは動画をご覧いただければ一発でご理解いただけると思います。
キレイな物をキレイなまま維持することが簡単であるというこの特徴は、洗車好きには堪えられないのではないでしょうか。
「本当にこんな簡単なの?」と疑いたくなる気持ちは重々承知していますが、「そんな訳ない!」と認めない安易な思考に陥ってしまったとしたらそれは非常につまらないことだと思います。
ピッチレスコートではありませんが、他社のHPでの検証でも結局は似たような結論がでています。
「コーティング 耐久性」と検索を掛けてみたら、やっぱり僕と同じような考えに至っている人がちらほらいらっしゃいました。たくさんあげつらっても仕方ないので、面白かった記事3つのリンクを貼っておきます。
カーワックス・コーティング剤の耐久性比較実験 パネル回収3回目 最終章
ソリッドブラックにしてはいけないコーティングと”当店の考えるコーティング”
- 手を掛けることに勝ることはない、
- 高耐久性のコーティングにはデメリットがある
- コーティングについての勘違い、等々
僕はあまり他社のホームページは見ないのですが「やっぱ思うことは一緒なんだな」と感じました。
結局、ピッチレスコートの耐久性は高いのか?低いのか?
僕は同じクルマを1週間に1回~ひと月に1回は洗車しているのですが、それはピッチレスコートの耐久性が低いからそうしているのではありません。
- 定期的に水洗い洗車することで美観を損ねる汚れを落とすことを第一目的としていること
- 次の洗車がやり易くなるようにピッチレスコートの補充で撥水性を与えていること
- 洗車キズを隠していること
- 塗装の色ツヤを引き出すこと
駐車環境や走行環境によっても汚れ方はまちまち、またお客さんが一番気にされるところもまちまち、そうした様々な条件や制限、そして美観を引き出せるだけ引き出すことを鑑みて洗車のスパンを決めています。
そして、10年後20年後といつまでもキレイさを保つことを見据えています。
一回だけ施工してそれがどのくらい持つか?という意味の耐久性で言えば
「普通のWAXよりは持ちますよ」
「雨などで濡れたり汚れたりしなければ1か月やそこらでどうにかなることはありませんよ」
と答えます。しかし、それではピッチレスコートのメリットを使いこなしているとは到底言えません。
これが僕の考えるピッチレスコートの耐久性です。
手間を掛けることで維持する耐久性です。
耐久性を高くするのも低くするのも施工する人次第と考えています。
と言っても一回一回がそんな大変な手間でもないんですけどね。
もし普通のWAXほどにも耐久性がないと感じるような、例えば雨が一回降っただけで流れ落ちてしまったなどということがあれば、それは間違いなくちゃんと施工できていないことが原因です。
そのような状況から推察できることは、汚れが落とし切れておらず、汚れの上にピッチレスコートが乗っているだけの状態ということです。(見た目だけでは判断できない場合があります)
それではひと雨で効果を無くすのは当然じゃないですか?
某通販サイトのレビューを見ていると、効果がないだの、耐久性がないだの、少数ですがそんな書き込みがあります。
ケミカル剤の評論家になりたいのか?それともクルマをキレイに出来るようになりたいのか?
もっと言えば、、、
何が足りないのかと自らに原因を追究し、より使いこなそうとするのか?
出来ないことを人(物)のせいにするのか?
不思議なことにそうした方(と思われる人)からお問い合わせを頂くことがほとんどないことからも、賢明な方は察するところがあると思います。
余談ですが、、、
僕が携帯番号を公開しているのも、自信があると同時に施工のサポートをしたいと思っているからです。
ちょっとした気付きから、いままで出来なかったのが嘘みたいにキレイに仕上げられるようになるというのを数えきれないくらいに経験しています。
気付いてしまえば(答えが分かってしまえば)小学生でも出来る。
これは僕がいつもお客様にお伝えしていることです。
とはいえ、汚れがコーティングや塗装を犯して染みが出来たりしたら、もう研磨するしかありません。
人間で言えば虫歯になったら歯を削ればいいと言っているのと同じです。限りある塗膜を削って消費していますからキレイになって当然です。
その前に歯磨きしましょうよ、これが定期的な洗車でありピッチレスコートの役割です。
高耐久性のコーティングは研磨できません。悪くなったらそれまでよ、というのが高耐久性のコーティングです。
なので、ギリギリまで施工を遅らせるのではなく、早め早めに「劣化の原因となる汚れを落とし、ピッチレスコートを掛けている」わけです。
どう美観を維持したいかによるので、どういうスパンでどこまでやるかは気が済むように施工してください。
一台の車を大事に乗ろうと思っている方へ、これだけは言わせてください。
「一度施工したらそれがいつまで持ちますか?」という考えからはもう卒業しませんか。
それにとらわれている限り、いつまでも悩むことになって終いには「もういいや、、、」と諦め、ただの移動手段になり果てる「愛車が死ぬ」ことになりかねません。
お叱り覚悟でここまでのことを言うのも、愛車が死んでしまうということが一台でも少なくなってほしいと思っているからです。高級車が高級車として乗られていない、ホイールがブレーキダストで真っ黒な惨状を見かけると「クルマが可哀そう」と思ってしまいます。
本人がそれで良しとするなら僕は何も言いません。
でも買ったときのぴかぴかの輝きをいつまでも維持することだって可能なんです。そして思うほど大変なことでもないんです。諦める必要はないんです。
僕が洗車できる台数なんてたかが知れています。なのでご自分で出来る方やりたい方はどんどんやってほしい、そしてそのお手伝いをしたいと思っています。
だから包み隠さず情報を公開しています。