ジビエで超有名!生け捕り専門変態猟師が営む『竹染』にてボタン鍋(イノシシ)を食う
鉄砲は使わず、罠で、しかも生け捕りで野生のイノシシやシカを捕まえること。
その理由は「美味しいお肉を提供するため」。
そうした信念の持つ猟師であり、料亭を営む片桐邦雄さんのところに伺ってきました。
僕は弟がイノシシを捕るところに立ち会ったことがありますが、
イノシシは戦車です。
「生け捕りをしようと思ったら、命がいくつあっても足りない」、、、対峙したときにそのくらいの恐怖を感じます。
イノシシのように逃げずに立ち向かってくる動物は、本能的に勝てる気がしないと思い知らされますのでどうしていいか分からなくなりフリーズするのが普通の反応です。格闘技やっているとか体を鍛えているとかそういうのは何の意味も成しません。
僕らも片桐さんのやり方に倣って、罠の道具を作ったり改良したりして生け捕りをやっています。片桐さんの足元にも及ばないかもしれませんが。。。
僕の弟はもともと鉄砲から猟の世界に入ったんですが、ゲーム性が強く、食肉としての観念が低いこともあって、罠に転向しました。
その罠猟の世界で知らない人はいないくらいの有名人が、ここ竹染のオーナー片桐邦雄さんです。
- グルメ漫画「美味しんぼ104巻 食と環境問題」に掲載されたり、
- TV番組「クレイジージャーニー」、
- アマゾンプライムオリジナル「今田×東野のカリギュラ」
18. 東野、猪を狩る 前編
19. 東野、猪を狩る 後編
等々に特集されたりしている超有名人です。
[罠師・片桐邦雄 2017]
[クレイジージャーニー 罠師・片桐邦雄 2017]
タイトルで変態と書いたのは、信じられないくらいにスゴイことをしているという尊敬の意味を込めての変態です。
少し前に弟は「とって食べる」という会のイベント「猟師さんのお話を聞きながらイノシシ・シカを食べる」ですでにお会いしている。僕は今回初めて。
一度、今後の参考にも、本当に美味しいジビエ料理が食べたい!
という希望があって今回竹染さんに行くことになりました。
自宅がある静岡市清水区庵原町から、第二東名のいはらICに乗り、浜北ICで降り、152号線を少し走ってわき道に入ったところに『竹染』はあった。
だいたい1時間半程度で着いた。
意外と近い、と感じた。
暖簾をくぐり、
入口左手には、予約席が。
他にも湘南から来たご家族連れが少し後から来た。
意外と、と言ったら失礼かもしないけど、飲み物がすごく充実していた。
今日はクルマで来たこともあって、二人ともウーロン茶を頼む。
とうとう竹染に来たんだなぁ、、、と浸っていた。
しばらく店内を眺めながら待っていると、、、
店員さんがお通しを持ってきてくれた。
今日のメインディッシュ、シシ鍋が到着。
臭みを消す意味でも普通は味付けが味噌ですが、ここのは出汁と塩のみ。
そして、野菜とお肉、お替り自由ときた。
竹染のブログには、、、
猪鍋のしゃぶしゃぶ肉をおかわり自由とさせていただいていましたが、5月よりしゃぶしゃぶ肉のおかわりは一度とさせて頂きます。
おかわり二回目より一人前千円〔税別〕となります。
5月というのは2018年の5月からですが、僕ら大人が二人で食べた時でもおかわり一回で十分でした。よほどお腹を空かした、普段からめちゃくちゃ食う人以外はおかわり二回目行く人はいないんじゃないでしょうか。
野菜とお肉を一度お替りして腹いっぱい食べさせてもらいました。
鍋の底に入っていたシシ肉は、少し癖がある、出汁が出る部位の肉でした。
食べるには少し苦手という人がいるんじゃないかと思いましたが、テーブルにあった特製辛味噌を付けるとそのクセを感じさせない味になります。
シシ鍋をつついているうちに、オーナーの片桐さんのジムニーが猟から帰ってきた。
「本当に生け捕りしているんだなぁ」
近寄ってみたら、しっかり息をしておりました。
シカ刺し。
本当は10切れあったんですが、写真を撮り忘れ、完食寸前で弟に「あれ?写真は?」と言われ、我に返り撮影。あぶねー!
実は、僕はシカ肉はジャーキーしか食べたことがない。
オーナーの片桐さんにどう食べると美味しいか聞くと、、、
①まずはそのまま食べてみてください。
②ニンニク醤油を付けて食べてみてください。
③シシ鍋の汁でしゃぶしゃぶしてから、しょうゆを付けて食べてみてください。
とのことでした。
弟がイノシシよりシカシカと言っている意味が分かりました。
臭みが一切なく、ニンニク醤油に合ってめちゃくちゃ美味いです。
ジビエが苦手、臭い、固い、そんな経験をしたことがある人も、ここならおススメ出来ます!
実はですね、このお皿にはイノシシのハラミとタンとレバーの焼き物が乗っていたんですよ。
写真を撮る前に食べちゃったんです。
食べた後に「あっ、、、」と気付く。すいません。
僕はレバーが大っ嫌いなんですが、ここで出たイノシシのレバー焼きは臭みが全くなく濃厚で美味かった。また食べたい、そのくらい美味い。
汁も美味しく、完食完飲。
さてお会計、、、と声を掛けたら「まだ雑炊がありますよ」とのこと。
うまい、うまい。雑炊が美味くないわけがない。
あっという間に完食。
、、、ひと切れしかない理由はお察しください。
今年ははちみつが不作らしく、以前はこれに自家製のはちみつが掛かっていたそうです。
スーパーで売っているはちみつとは全然違うとのこと。
養蜂も手掛けているそうです。
ごちそうさまでした。
さきほど、片桐さんがテーブルに見えていらしたときに、「今日捕れたイノシシの解体って見せてもらえますか?」と聞いたら「いいよ!」と快諾いただいた。
弟が参加した、前回のとって食べるのイベントの時は、イノシシが捕れなくて解体の見学がなかったんだそう。これも自然相手だから時の運。そして片桐さんの気さくさに感謝。
ジムニーからイノシシを降ろし、いざ屠殺場へ。
測りで測ったら体重21キロ。オス。
イノシシとしては小さいですが、こんなのが突進してきたら下手すれば骨が折れます。
それを生け捕るんだからスゴイ人です。
ちなみに片桐さんは今までにケガしたことはないとのこと。
マジかよ!
途中、内臓の一部を切り取り、神棚に供える。
イノシシを頂いたことに感謝を示す。
これは自分への戒めなんだとおっしゃる。
ケガしないで今までやってこれたのは、こうした謙虚さなんでしょうね。
途中はグロいと批判がありそうなので省略しましたが、止め刺しのとき、心臓を槍で的確に一突きするのですが、イノシシは刺されたことに気が付いていない様子でした。
ビクッと反応したり、鳴いたりすることも一切ありませんでした。
すげー技です。
小腸をさばいて洗った後、臭いが残っていないか片桐さんが確認している様子。
この後、小腸を手渡され、僕も嗅いでみる。
内臓は止め刺ししてからのスピード勝負、鮮度が命。
興奮させず、不安や恐怖を与えず、槍で刺されたことも気付かせず、一切のストレスを与えずに解体したお肉に触れることが出来た貴重な経験をさせてもらいました。
というか、タダでこんなに色々話が聞けて見せてもらっていいのか?と思えるくらいでした。
皮を剥ぐのは体温が下がってからとのこと。
体温が高いまま、人の手が触れると菌が繁殖するからだそうです。
もう、、、「へぇ~」としか言葉が出ません。
他にも、どんな冷凍庫でお肉を保管すべきかとか、解体したイノシシの下になぜ水を張ったトレイを置くのか、アメリカの猟師と一緒に猟をしたときのお話しなどを聞かせてもらい、大変面白くタメになる時間を過ごさせてもらいました。
アメリカでは内臓はハツとレバーくらいしか食べないそうで、モツ(腸)については「ウ〇コが通るところなんか食えるか!」という感覚だそうです。それでもアメリカのプロハンターの意地というかリーダー格のハンターの方だけは「美味しい・・・」と言って食べていたそうです。
「次はもつ鍋食べにおいで」「ぜひ!」そんな会話で竹染をあとにしました。
弟と一緒に珈琲を飲み今日の出来事を反芻しながら、帰宅の途に着きました。
行ってよかった、次いつ行く?
もし一度は行ってみたいと思った方は、ちゃんと予約してから行くことをおススメします。
〒431-3314
静岡県浜松市天竜区二俣町二俣2177
TEL 053-926-2572
電話受付時間 9:00-22:30
定休日 月曜日
代表者名 片桐邦雄